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退任のジョルジーニョ監督「愛するチームにACL出場権を残したかった」

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[12.29 天皇杯準決勝 G大阪 1-0 鹿島 エコパ]

 ガンバ大阪よりも10本も多い19本のシュートを放った鹿島アントラーズだったが、最後までゴールは遠かった。0-1で敗れたこの試合が、チームを指揮する最後の試合となったジョルジーニョ監督は「自分が愛するクラブを去る際に、ACLの出場枠を与えて帰国したかった。その目標を達成できなかったことを、残念に思っている」と、唇を噛んだ。

 後半開始からMFレナトを起用したが「失点した直後に入れようかという思いはあったが、感情的な判断になるといけないので、ハーフライムまで待って、時間を賭けてプランを練った」と、振り返る。後半は狙い通り、中央のレナトを軸に、G大阪を押し込んだ。「レナトが入ることで、ボールポゼッション率を高めることができたし、サイドにジュニーニョとドゥトラを入れることで、スピードを生かすことができた。中央のパサー(レナト)から、いろいろな状況をつくりだすことができたが、結果を出せなかったことが残念」。

 敗戦を悔しがるジョルジーニョ監督は、同時に勝者を称えることも忘れなかった。「G大阪はJ1にいなくてはいけないチーム。それだけの質、能力があります。今回、降格をしましたが、J1で通用する力のあるチームですし、天皇杯の決勝でも成果を出し、ACLを戦いながら1日でも早くJ1に復帰することを願っている」と、エールを送った。

 もちろん、それ以上の期待を鹿島にはかけている。「移籍する選手もいるでしょうし、新たに加入する選手もいると思いますが、土台となる部分は築くことができたと思います。あとは移籍組がいかにフィットできるか。来季、アントラーズがJリーグを勝ち取れるように、そしてまだアントラーズが獲得していないACLのトロフィーを1日でも早くクラブハウスに飾れるように、ブラジルから応援していきたい」と、来季だけでなく、今後のチームに期待をかけた。

 最後にジョルジーニョ監督は「この場を借りて、日本国民のみなさんに感謝を述べたい。素晴らしい国、素晴らしい文化、敬意、尊重、いろんな献身的なサポートを受けました。そのことに感謝します。鈴木(満)常務に『ドアのカギはかけない』と約束してもらったので、またいつかチャンスがもらえると思っています。そのときに、再会できることを心待ちに帰国します。心から感謝します。ありがとうございました」と挨拶をし、会見場を後にした。

(取材・文 河合拓)

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