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[ユニバーシアード]日本4発で“最速”GL首位突破決定!

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[7.8 ユニバーシアードGL第2戦 日本4-1ウクライナ ロシア]

 ユニバーシアード日本代表は8日、第27回ユニバーシアード競技大会(ロシア・カザン)グループリーグ第2戦でウクライナと対戦し、4-1で逆転勝ちした。2戦2勝の日本は1試合を残して“最速”でのグループリーグ首位と決勝トーナメント進出を決めた

 点差ほどの快勝でなかったことは確かだ。特に前半については、ほぼウクライナペースのゲームだったといっていい。決定的なシーンを作られることこそ少なかったとはいえ、以前からの課題であったセットプレーからの展開で本大会初の失点を喫したのも、まだまだ課題が修正しきれていないことをうかがわせた。

 FW赤崎秀平(筑波大4年=佐賀東高、鹿島アントラーズ内定)の1トップから、赤崎とFW松本大輝(法政大4年=大津高)の2トップ、そして中盤の両サイドにMF茶島雄介(東京学芸大4年=広島ユース、サンフレッチェ広島内定)、MF長澤和輝(専修大4年=八千代高)という形にシステム変更をして迎えたグループリーグの第2戦。だが「練習試合でも何度もやってきた」(吉村雅文監督)このシステムが、うまく機能しなかったことが、日本にとっては大きな誤算だった。

 両SBの攻め上がりや、茶島のドリブル、長澤のスルーパスはあるものの、どれも単発で「単調な攻撃だった」(同監督)。そのうえ、ウクライナにボールを回される時間帯が続き、29分にはFKのチャンスを与えてしまう。GK藤嶋栄介(福岡大4年=大津高)が一度は弾いたものの、こぼれを決められてウクライナが先制。日本は突破口を開けないまま、イヤな雰囲気のまま前半を折り返すと思われた。

 しかし42分、ボールを持って前に抜けだそうとした長澤を後ろから止めて、ウクライナの選手が一発レッド。日本にとってターニングポイントになったのは、間違いなく42分のこの退場だろう。数的優位に立った日本は後半、積極的な攻撃を展開。松本を前線から1枚下げて赤崎の1トップに戻したこともあり、裏への抜け出しや、オープンスペースを使った攻撃を仕掛け始める。

 その成果はすぐに出た。後半開始直後の5分、ゴール前でボールを受けた赤崎が、GKの手が届かないゴール右隅へ狙いすましたシュートを決めてまずは同点に。長澤からのスルーパスに赤崎が走りこむという展開が何度となく繰り返され、ウクライナはそれをCKに逃して防ぐのがせいいっぱい。15分の2点目も、そんな長澤と赤崎のコンビネーションで得たCKから生まれた。キッカーは長澤。ファーサイドにいたDF車屋紳太郎(筑波大3年=大津高)の元にボールを送ると、車屋はこれを、ウクライナDFと空中戦で競り合いながらも頭で合わせて押し込み2-1。ついに日本が逆転に成功する。

 さらに30分には、この試合で初スタメンのMF窪田良(阪南大4年=東京Vユース)を起点に長澤がつなぎ、最後は抜けだした松本がGKをかわして3点目。このゴールでほぼ勝負はあったかのように思われたが、さらに35分にはエンドラインギリギリまで粘って折り返した赤崎が、角度のないところからシュートを放つ。シュートは、GKの手をかすめてそのままゴールに収まり、日本が4点目をマーク。エース赤崎のこの試合2点目、今大会3点目のゴールで試合を決定的なものとした。

 その後はウクライナも何度かカウンターを仕掛けるが、日本は危なげない守備で守りきり、そのままタイムアップ。前半はセットプレーから失点するなど、課題を修正しきれずに苦しんだ日本だったが、後半には4得点をもぎとって逆転に成功。2試合で8得点と、下馬評通りの攻撃力の高さを見せつけた。

 しかしその一方で、守備面ではまだまだ課題が残されていることも確か。決勝トーナメントを前に、その課題が明確になったことで次につなげたいところだ。

(取材・文 飯嶋玲子)

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