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[国際ユースサッカーin新潟]「キレは上がってきている」鹿島入り杉本が“世界基準”の相手の脅威に

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[7.15 国際ユースサッカーin新潟第3戦 U-17日本代表0-1 U-17クロアチア代表 東北電ス]

 3戦全敗に終わったU-17日本代表だが、吉武博文監督が「選手たちは本当に良くやろうとしている」と語ったように、それぞれがチームのサッカーを表現しようとしていた。判断の甘さや質の部分で課題を残したが、その中でも個々がゴールを奪うために必死のプレーを見せていた。3日間を通して特に印象的だったのが、FW杉本太郎(帝京大可児高)だ。

 杉本は鹿島アントラーズ内定が発表されている注目アタッカー。昨年のAFC U-16選手権ではチームを決勝へ導き、大会MVPにも選出されたU-17代表の中心選手だ。ただ、今春は身体の強度が増した一方で動きのキレがなかなか向上して来ていない印象だった。それでも今大会では鋭いターンでDFを振りきり、決定的なシュートやラストパスへ持ち込むシーンの連続。U-17新潟選抜戦ではGKのビッグセーブに阻まれたものの、DFを振りきってからの右足コントロールショットでスタンドを沸かせるなど存在感はピカイチだった。
 
 本人も「大分、身体のキレは上がってきている。受ける前のオフの動きで工夫して、逆のアクションを入れてから受けるということでよりマークを外せれるようになった」。もちろん、狭いスペースでも正確な1タッチパスでボールを動かすなど、周囲を活かすプレーも見逃せない。加えて動きの質、速さで局面を打開。登録162cmのFWが“世界基準”(吉武監督)の外国人選手たちを十分に苦しめていた。相手の背後への意識が増して得点力向上の予感もある。

 ただ、この日のプレーには不満顔。「きょうはどっちかというと受けてから判断が遅くて、潰される場面が多かった。そこでボールを失わないようにしてフリーになってラストパスとかシュートまで行けるようにしなければいけない」。また「最後のところでもっとシュートの振りとか細かいところを修正していかないと。ああいう世界に出てくるチームのGKは上手い。タイミングをずらしたりしていかないといけない。(また)ゴール前の質というところでタイミングとか、パスの質とか、ボールを置く位置とか意識していきたい」と課題を挙げていた。世界で輝くために、“U-17W杯前哨戦”の反省を活かすこと。開幕までの3か月間、注目FWはより意識を高めて準備をする。 

(取材・文 吉田太郎)

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