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F東京の新監督を称えるトニーニョ・セレーゾ監督「本当に優秀な監督が指導している」

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[3.18 ナビスコ杯第1節 F東京3-1鹿島 味スタ]

 試合前にFC東京は、監督のショートインタビューを行う。その際、マッシモ・フィッカデンティ監督は、鹿島アントラーズを率いるトニーニョ・セレーゾ監督について「試合前に少し、お話をする機会がありましたが、現役時代はコメントすることがないくらい、有名な素晴らしい選手でした。監督としても日本で実績をたくさん残しています。人間としても素晴らしい人格者で、ポジティブな要素しか見当たらない方です」と、称賛の言葉を並べた。

 試合後、今度はトニーニョ・セレーゾ監督がフィッカデンテイ監督に賛辞の言葉を送った。「我々は、眠りながら試合に入ってしまいました。やっと目を覚ましたときには、0-2になっていました。相手の方が闘争心、アグレッシブさ、全体をコンパクトに保つためのスピードある守備をやっていました。まず、勝ちたい気持ちで相手が完全に上回っていました。本当に優秀な監督が指導していることが実感できました」。

 この試合、リーグ戦で3連勝中の鹿島はGK以外のメンバーを変えなかった。一方のF東京は15日の神戸戦(1-2)から8選手を入れ替えていた。試合は序盤からF東京が鹿島を圧倒し、前半8分、10分に2ゴールを挙げた。後半にMF本山雅志を投入した鹿島も反撃に出たが、前半のビハインドが響き、1-3で今季初黒星を喫している。

 F東京の試合運びを、トニーニョ・セレーゾ監督は評価する。「特にサイドの崩し方でワンツーをしたり、どういう風に(DFを)おびき出すか、また出し手と受け手のタイミングも徹底されていました。相手の方がやるべきこと、普段の練習から積み重ねてきたものを表現するということで上回っていました」とイタリア人監督の手腕を称え、「おそらく、私たちは前半でシュートを1本しか打てていません。それなのに、会見で『負けに値する内容ではなかった』と、誤魔化すようなことはできませんよね?」と、完敗を認めた。

 自身が3連勝しているリーグ戦と同じメンバーで、この試合に臨んだ理由については、チームを熟成したかったからだと説明する。

「いま、私は若い選手を入れてチーム作りをしている段階です。このメンバーで試合をすることで、コンビネーションを、ボールを出すタイミングや受けるタイミングを理解し合って、もっと高められると思いました。ただ、サッカーは思ったようにすべてがうまくいくものではありません。プラン通りにいかない、こういう日もあると思っています」

 そう話した指揮官は、「完敗」と繰り返したゲームの中でも、後半にチームが立ち直ったからこそ、次につながると感じられていたのだろう。数多くの記者が詰めかけた会見場で「みなさんは、全員が記者なのですか? 鹿島では2、3人しか記者がいないのでうらやましいですね。でも、これだけ記者の方がいると監督に対するプレッシャーも厳しくなりそうなので、私は鹿島に帰ります」と冗談を飛ばし、会見場を後にした。


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