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香川真司インタビュー「サッカーの神様が自分をへし折ってくれた」

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 マンチェスター・ユナイテッドで3シーズン目を迎える日本代表MF香川真司。12-13シーズンはアレックス・ファーガソン、13-14シーズンはデイビッド・モイーズ、そして今季はブラジルW杯でオランダ代表を3位に導いたルイス・ファン・ハール新監督の下でプレーすることになる。ブラジルW杯で味わった悔しさをバネに、日本の10番はどう這い上がろうとしているのか。ゲキサカが直撃インタビュー――。

―いよいよマンチェスター・ユナイテッドでの3シーズン目が始まります。今、どんな思いがありますか?
「まずはW杯のことを切り替えていかなきゃいけないと思っています。正直、まだまだ心の隅に悔しさが残っています。なかなか消え去るものではないんだなと。ただ、そういうものと向き合いながら、次の一歩を踏み出さないといけない。そのための覚悟であったり、情熱であったり、そういうものをしっかり持つことが次につながるのではないかと思います」

―ブラジルでも課題として挙げていた「自分に勝つ」ということ。そのためにどうしていきたいと考えているのでしょうか?
「やはり、その場だけで勝つというのは難しい。日ごろの戦いが大事になってくるのではないかと思います。日ごろ、どれだけ自分と向き合っていくか。自分と向き合うのは本当に難しいんですけど、そういうところから逃げずにやることが、自分のメンタルを鍛える一つの方法だと思います」

―自分に向き合うというのは苦しみを伴う作業でもあります。
「うまくいかないときというのは、どうしてもその現実から目を背けてしまいがちですが、そういうときに自分自身と向き合って、『何が悪いのか』『なぜ結果が出なかったのか』を考える必要があると思います。向き合っていくしかないのかなと思うんです。その後は行動に移していくこと。『練習が足りなかったのではないか』とか、『厳しい戦いの中で勝つための情熱が足りなかったのではないか』とか、そういう細かいところが勝敗を分けるのではないかと思っています」

―それが向こう4年間の課題にもなる?
「4年間悔いなくやれたら、やってきたことは必ずピッチで表現できると思います。今回はやはり、まだまだ自分のサッカーに対する思いが足りなかったということをサッカーの神様が教えてくれたんじゃないかと思いますし、逆に言えば、これで満足していた自分をへし折ってくれたのだと思います。自分はもっと成長して、もっと上を目指さないといけないんだということを強く教えてくれました。それを噛みしめてやっていきたいです」

―W杯ではユナイテッドの新監督であるルイス・ファン・ハール氏がオランダ代表の指揮を執っていましたが、オランダの試合は見ましたか?
「日本の試合が終わったあとは、W杯の試合を見ることがあまりなかったんです。見るのがすごく悔しかったので……。オランダ戦は準決勝の後半を少し見ましたが、固い試合でしたね。ただ、オランダ代表とクラブでは選手も変わりますから、あまり参考にはしないですね」

―ファン・ハール監督のサッカーはどういうイメージですか?
「バイエルンのときのイメージで言うと、両ウイングがガンガン上がって仕掛けていたイメージが強かったんですけど、W杯のオランダはすごく守備的。ロッベンとスナイデルとファン・ペルシーの3人で試合を決めている感があります。あとは守備を固めてブロックを敷いていますよね」

―ユナイテッドでは全選手がゼロからのポジション争いになります。どういうところをアピールしたいですか?
「自分は結果で示していくしかない。その気持ちをより強く持っていきたいと思います。チームには各国のトッププレイヤーがいるわけですから、彼らに負けているようでは戦えない。それは日本代表につながっていくことですし、激しい戦いの中で自分をもっと表現して、結果を残してやっていければさらに成長できると思います」

―ポジションのこだわりは?
「もちろん自分のポジションはトップ下。そこが一番自分が生きると思うので、そこに向かってチャレンジしていくことは変わらないです」

―プロになる前に最も指導されていたのはどういうことですか?
「宮城で過ごした中学時代は、個性ということを口酸っぱく言われました。当時の日本サッカーはパスサッカーが主流でしたが、『そういうのでは面白くない』『次の世代は個人技が大事だ』『もっと自分で打開して、自分をピッチで表現する選手になりなさい』と言われました」

―当時から自信を持っていた部分はどんなところでしょうか?
「技術にはすごく自信を持っていました。でも逆にスピードは全然なかったですし、フィジカルもありませんでした。今はそういうところも身についたと思っているのですが、当時はなかったですね」

―中高時代につらかったことは?
「練習はきつかったですし、いっぱい怒られました。みんなそうだと思うのですが、中高は一番苦しい思いをするときなのかなと思います。今考えると、学校に行って、練習して、よくああいう毎日を繰り返していたなと思うくらいタフな日程でした。でも、そういうものが今に生きていると思いますし、そこで鍛えられたメンタリティーが将来に役立つと思います」

―中高時代に怒られていたというのは意外です。
「監督が選手に対して厳しいことを言ってくれる人だったんです。それは自分にとって大きかったですね。その年代でうまい選手たちが一番怒られていましたし、当時は一番きつく言われましたね」

―それが役立ったのですね。
「怒られることでもっともっと上を目指さないといけないという気持ちを持たせてくれました。やはり若いときは勘違いすることが多いものだと思いますが、厳しく言われていたおかげで勘違いをする余裕もありませんでした」

―指導者も上を目指していたということですね。
「Jリーガーや日本代表を目指していたからこそ、要求も厳しかったですし、自分自身ももっと上を目指してやろうという気持ちしかなかった。相乗効果でさらに向上心が出たのではないかと思います」

―向上心と悔しさが上を目指すためのバネになる?
「僕は今までいろいろな悔しさを味わってきました。でも、そこで諦めるのではなく、『それに打ち勝ってやる』『負けないぞ』という繰り返しで育ってきたと思っています。それはプロに入ってからも同じ。試合に出られない時期もありましたし、年代別代表や日本代表でも悔しい時期をたくさん経験しています。ただ、それでも最後には絶対に勝ってやるという気持ち、絶対に負けないという気持ちしかなかったんです」

―アディダスの新スパイクはいかがですか?
「圧倒的に軽いですね。自分の一番得意なプレーである前を向くターンや、加速して相手を抜き去る一瞬のスピードを生かしてくれるのにふさわしいスパイクです。アッパーがすごく薄くて素足感覚なので、ドリブルのときなどにも、一つひとつのボールタッチ感をすごく感じられます」

―色はいかがですか?
「見た目がすごく鮮やかなので、ピッチでも目立つと思います。今まで履いたことのないピンクとブルーということで、新鮮です。ピンクはこの夏にピッタリな色。青も日本代表のカラーですし、さわやかな夏を思い起こさせる中にピンクという派手な色なので、夏ならではのスパイクだと思います」

―4年後に向けては?
「ブラジルW杯のような経験はもうしたくない。こういう終わり方は悔いしか残らないですから。ただ、こういう経験をさせてくれたのもW杯なんです。ですから自分は感謝しなきゃいけないと思っています」

―ここからが再スタート。
「W杯はそんなに甘くないんだなと痛感しました。今後、さらにシビアに戦っていかなければ、4年後も同じような結果になってしまうのではないかと思っています。チームとしても、個人としても、しっかり受け止めてやっていかなければいけないと思っています」

(取材・文 矢内由美子)

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