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[MOM1245]履正社MF川畑隼人(2年)_ハイクオリティーのプレー見せたチームの『拠り所』

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.15 高円宮杯プレミアリーグ参入戦2回戦 前橋育英高 0-2 履正社高 Eスタ]

 うまい。その一言だった。独特のボールタッチは、細かい局面で光った。寄せてくる相手に対し、ボールを隠しながら、飛び込ませないで飄々と前に運んでいく。そして長いリーチとキックの精度を活かし、ラストパスやサイドチェンジを供給する。

 4-1-2-3システムを組む履正社高の2シャドーの一角に位置するMF川畑隼人(2年)は、183cmの長身ながら、足下の技術は高く、状況判断能力も高い。前橋育英との一戦では、高い位置でのボールの収まりどころとして機能。20分のFW菅原大空のヘッドのゴールの時には、バイタルエリアでセンタリングを上げたDF大迫暁に正確なパスを通し、お膳立てをした。後半に入っても、献身的な守備とボールの収まりどころとして、苦しむチームの中でひとつの『拠り所』となった。

「今日は川畑が苦しいところでボールキープしてくれて、仲間を助けてくれた。課題だった守備もしっかりやってくれたし、一皮とまではいかないけど、半皮はむけたかな」(平野監督)。彼の課題は守備だった。攻撃センスを持つ選手は、どうしても守備が苦手で、やりたがらない。だが、平野監督の『責任の無い自由は無い』というコンセプトのもと、『やりたくないことをしっかりやる意識』を徹底して植え付けられた。

「監督の言う通り、僕の課題は守備。もっと自分が成長するには、そこをしっかりやらないといけない。今日もアンカー(MF多田将希)を孤立させないように、半身になったり、ボランチの位置まで戻りながら、高い守備意識を見せた。その中で持ち味である攻撃力はしっかり発揮。彼のバランス感覚は、チームを勝利に導いた要因のひとつだった。

「もっと運動量を上げていかないといけないし、自分は伸ばしたいところがたくさんある」。高い向上心を持つ彼はG大阪ジュニアユース出身。ユースに昇格できなかった。来年はG大阪ユースと同じ舞台に立つ。

「プレミアで戦えるのが楽しみだし、絶対に負けたくない」。選手権にプレミアリーグと、彼の前にはモチベーションが上がるシチュエーションばかり。今後、向上心をさらに研ぎすまし、よりチームの『拠り所』として、もっとハイクオリティーなプレーを見せてくれるはずだ。彼にはそのポテンシャルは十分にある。

(取材・文 安藤隆人)
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