キーワードは「J3」と「手倉森ジャパン」…チームで苦しみながらもU-22代表選出の選手たち
今季の所属クラブでの出場記録は0試合0得点。もう一人の所属クラブでの出場記録は1試合0得点。しかし、2人は22日に発表されたU-22日本代表に選出された。
前出の選手はサンフレッチェ広島に所属するDF高橋壮也。立正大淞南高から昨年広島に加入したが、リーグ戦でベンチ入りを果たしたことはない。後出の選手はガンバ大阪に所属するMF井手口陽介。下部組織所属の昨季2種登録され、今季トップチーム昇格を果たした。第8節にプロデビューを飾ったものの、出場はその1試合に限られている。
ともに、所属クラブでは出場機会をなかなか得られない状況が続いているが、U-22日本代表を率いる手倉森誠監督の目に留まった。では、どこでアピールに成功したのか。それが、J3リーグを戦うJリーグU-22選抜だった。
「五輪強化として取り組んでいるJ3で、成長がみてとれる選手。それが高橋と井手口」。手倉森監督がそう語ったように、J3リーグ第17節終了時点で高橋は7試合にフル出場、井手口は4試合に出場(2試合にフル出場)してきた。J-22でのアピールが、U-22日本代表へとつながることを証明する選出となった。
そして、所属クラブで出場機会をつかめなくても、J-22で多くの試合をこなしていなくても、手倉森監督の信頼を得ている選手がいる。それは「手倉森ジャパンで実績を残している選手」であり、指揮官はFC東京に所属するMF中島翔哉を例に挙げた。
昨季途中に富山からF東京に復帰した中島は第16節鳥栖戦でJ1初ゴールを挙げたものの、昨季は5試合出場(計95分)、今季は2試合出場(計63分)と定位置を奪うには至っていない。しかし、手倉森ジャパンでは14年1月のU-22選手権、14年9月のアジア大会、15年3月のリオ五輪アジア1次予選で背番号10を背負ってきた。そして、ただ招集されるだけでなく、U-22選手権では4試合3得点、アジア大会では5試合2得点、そしてリオ五輪1次予選では2試合1得点と結果を残し続けてきた。
この部分を手倉森監督は評価している。「招集したメンバーの中でもチームで苦しんでいる選手がいる。ただ、僕が選んだときに僕のチームで活躍できるかどうか、僕の求める戦術を理解してやれるかどうかも大事な要素です。例に挙げれば中島翔哉は僕のチームで本当によくやってくれている。理解のある選手だし、僕のところでは活躍してくれるだろうと思っています」とチーム立ち上げから主軸を担う中島への信頼を示している。
しかし、来年1月にカタールで行われるリオ五輪アジア最終予選メンバーに、中島がすでに当確しているかと言われればそうではない。「チームで苦しんでいる選手が、この状況で何ができるかをトライさせてみて、試合に出場していない選手はダメなんだと初めて分かるもの。そういうところをしっかり見極めたい」。所属クラブで苦しむ手倉森ジャパンの常連メンバーは、7月1日に行われるコスタリカ戦で自身の存在価値を証明できるだろうか。
(取材・文 折戸岳彦)
前出の選手はサンフレッチェ広島に所属するDF高橋壮也。立正大淞南高から昨年広島に加入したが、リーグ戦でベンチ入りを果たしたことはない。後出の選手はガンバ大阪に所属するMF井手口陽介。下部組織所属の昨季2種登録され、今季トップチーム昇格を果たした。第8節にプロデビューを飾ったものの、出場はその1試合に限られている。
ともに、所属クラブでは出場機会をなかなか得られない状況が続いているが、U-22日本代表を率いる手倉森誠監督の目に留まった。では、どこでアピールに成功したのか。それが、J3リーグを戦うJリーグU-22選抜だった。
「五輪強化として取り組んでいるJ3で、成長がみてとれる選手。それが高橋と井手口」。手倉森監督がそう語ったように、J3リーグ第17節終了時点で高橋は7試合にフル出場、井手口は4試合に出場(2試合にフル出場)してきた。J-22でのアピールが、U-22日本代表へとつながることを証明する選出となった。
そして、所属クラブで出場機会をつかめなくても、J-22で多くの試合をこなしていなくても、手倉森監督の信頼を得ている選手がいる。それは「手倉森ジャパンで実績を残している選手」であり、指揮官はFC東京に所属するMF中島翔哉を例に挙げた。
昨季途中に富山からF東京に復帰した中島は第16節鳥栖戦でJ1初ゴールを挙げたものの、昨季は5試合出場(計95分)、今季は2試合出場(計63分)と定位置を奪うには至っていない。しかし、手倉森ジャパンでは14年1月のU-22選手権、14年9月のアジア大会、15年3月のリオ五輪アジア1次予選で背番号10を背負ってきた。そして、ただ招集されるだけでなく、U-22選手権では4試合3得点、アジア大会では5試合2得点、そしてリオ五輪1次予選では2試合1得点と結果を残し続けてきた。
この部分を手倉森監督は評価している。「招集したメンバーの中でもチームで苦しんでいる選手がいる。ただ、僕が選んだときに僕のチームで活躍できるかどうか、僕の求める戦術を理解してやれるかどうかも大事な要素です。例に挙げれば中島翔哉は僕のチームで本当によくやってくれている。理解のある選手だし、僕のところでは活躍してくれるだろうと思っています」とチーム立ち上げから主軸を担う中島への信頼を示している。
しかし、来年1月にカタールで行われるリオ五輪アジア最終予選メンバーに、中島がすでに当確しているかと言われればそうではない。「チームで苦しんでいる選手が、この状況で何ができるかをトライさせてみて、試合に出場していない選手はダメなんだと初めて分かるもの。そういうところをしっかり見極めたい」。所属クラブで苦しむ手倉森ジャパンの常連メンバーは、7月1日に行われるコスタリカ戦で自身の存在価値を証明できるだろうか。
(取材・文 折戸岳彦)