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[MOM1559]那覇西高DF崎山一喜(3年)_“槙野似”の闘将が逆転勝利を呼び寄せる

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 全国高校選手権沖縄県予選準決勝 那覇西高4-1普天間高 沖縄県陸]

 赤いユニフォームの背番号5。声を張り上げてDFラインを統率する。そして何といっても顔立ちがそっくり。『また言われたよ』。そんな思いが隠れていそうな苦笑いを浮かべながら発した言葉は「似ているとよく言われます」。日本代表DF槙野智章(浦和)にそっくりなDF崎山一喜(3年)が、那覇西高を逆転勝利へと導いた。

 那覇西は例年、卒業する学年の選手と玉城真哉監督が相談して次期キャプテンを任命する。ただ今季のチームはキャプテンタイプが少なく、選考は難航した。そんな中で任命された崎山だが、主将に就任すると自覚が芽生えて急成長。指揮官も「今はチームを引っ張ってくれています」と目を細めた。

 この日もピッチ上での存在感は絶大だった。チーム全体に裏への意識が少ないと感じると、意識的にボールを裏に通して、イレブンにメッセージを出す。前半40分には崎山のロングボールに反応したFW久場琉(3年)がエリア内で倒されてPKを獲得。同点に追いつくと、後半に入ってすぐのプレーでも再び裏にロングボールを出す。「足元に出すと見せかけて裏に出るというのは常に練習からやっている。練習通りの形です」。そしてトドメは後半26分、CKを打点の高いヘディングで合わせて、勝利を決定づけた。

 ただ、やはりDFとしては、先制点を与えてしまったことに悔いが残る。「思った以上に自分たちが焦っていた。決められてからパスが繋がるようになったでは遅いんです」。

 逆転、さらに自らの得点で突き放したあとも、声を出し続けてチームを鼓舞。隙を与えない戦いで、試合を終わらせた。「自分が気持ちを見せないと、前の選手にも伝わらないと思う。自分がやることはそれしかないので」。“槙野似DF”。顔立ちだけでなく、精神面でも槙野同様の熱さを見せている。

(取材・文 児玉幸洋)
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