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勝利知って泣き崩れた実践学園MF浦寛人、一発退場後は「ずっと祈っていました」

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一発退場となったMF浦寛人(3年)

[11.11 選手権東京都Bブロック予選決勝 國學院久我山高 0-1(延長) 実践学園高 駒沢]

 泣きながら自分自身を責め、一心に勝利を祈った。スコアレスで迎えた後半31分、MF浦寛人(3年)のスライディングで足裏が見えたか、危険なプレーとみなした主審はレッドカードを提示。痛恨の一発退場。実践学園高は残り時間を10人で戦うことになった。チームへの申し訳なさ、罪悪感に苛まれた浦は泣きじゃくった。

「自分がレッドカードを一発でもらって、10対11になってチームに迷惑をかけてしまった。レッドカードをもらってからはほとんど試合を見られなかった。ロッカールームでずっと祈っていました」

 延長後半アディショナルタイムのCKも見ることができず、「祈っているだけだった」。沸き起こった応援団の歓声でゴールを知り、寄り添ってくれたサポートメンバーに勝利を知らされると、その場に泣き崩れた。「自分が救われたとかどうこうより、チームが勝ってくれてよかったっていう思いで、涙がこみ上げてきました」。

 安堵の涙を流したあとは表彰式へ。チームメイトに温かく迎え入れられ、今度は嬉し泣き。残った10人が“浦のために”と団結して戦い抜いたことも伝え聞いた。「自分は迷惑をかけたので言える立場ではないけど、退場後にみんなが一丸となってくれたことはうれしい」。自らを責め、勝利だけを祈った約30分間。退場になったことはもう悲観せず、顔を上げて進んでいく。

 2年生だった昨年からトップチームに上がった主力ボランチ。選手権は初戦が出場停止となるため、深町公一監督は「バランスが取れるクレバーな選手。浦が出られないのは痛い」と痛恨の表情。浦は後ろを振り向かず、「(初戦は)この時点で応援が確定しているので、必ずみんなに勝ってもらえるように全力でサポートをしたい」と意気込むと、「できればまたみんなと一緒に全国の舞台でプレーがしたい」と笑顔で話した。頼もしい仲間を信じ、出番を待つ。

(取材・文 佐藤亜希子)
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