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長崎・高田明社長、『J1』をカーリング女子代表にたとえて説明…「見る目が変わるんですね」

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囲み取材に応じた長崎の高田明社長

[2.24 J1第1節 湘南2-1長崎 BMWス]

「どちらが勝ってもおかしくない試合でしたね」――。記念すべきJ1初戦で惜敗したV・ファーレン長崎だったが、囲み取材に応じた高田明社長は優しげな笑顔を浮かべていた。クラブをトップカテゴリに導いた“名物社長”は「反省を生かしながら良い試合をしていきたい」と今後に期待を寄せつつ、念願の舞台での一戦を振り返った。

 昨季のJ2リーグで2位に輝き、クラブ史上初のJ1昇格を果たした長崎。初陣となった湘南ベルマーレ戦は“らしい”戦いを繰り広げた。前半8分、右サイドを個人技で崩され、あえなく失点を喫するも、同16分にセットプレーで同点。昨季途中から経営を受け継いだ高田社長は「スキがあって取られてしまったけれど、すぐに取り返したところが去年と似ていましたよね」と歴史的な初ゴールを喜んだ。

 もっとも、この時点では「(昨季の)13戦負けなしがあったので、負けはないかなと思っていました」と感じていたという。しかし、J1の舞台はそう甘くはなかった。後半35分にFKから勝ち越しゴールを奪われ、終盤の猛攻も実らず敗戦。冒頭の言葉と共に「よく頑張ってくれましたよ」と選手たちを称えたが、厳しさを突きつけられる形となった。

 この一戦を振り返った高田社長は「やっぱり“ゼイワン(J1)”なんですよね」と感慨深そうに述べた。対戦相手は昨季J2リーグで戦った湘南だったため、「あの時より長崎も戦えるチームになっていましたよね」とある種の“既視感”もあったという。しかし、「我々も皆さんも『“ゼイワン”だな』と見る目が変わっているんです」と意図を説明した。

「昨日、(平昌冬季五輪で)カーリングの日本代表が韓国戦をしていましたが、残念でしたよね。終わった瞬間は私も泣きそうになってしまいました。でも、そこで皆さんのカーリングに対する目は全然違っていると思うんですね。それと同じように、J1でやるのとJ2でやるのとは全然違うんです」。急速に人気を高めているカーリング女子日本代表にたとえ、そのように表現した。

 そんな舞台ともあって、感慨もひとしおだったという高田社長。試合前には自ら拡声器を握り、アウェーに集まったサポーターに応援を呼びかけた。「マイクを持つのは苦手なんですけども、一声二声出さないといけないと思って、つい感謝の気持ちが出ましたね」と吐露。「やっぱり(目の前にサポーターがいると)『2万9800円!』と言うのとは違います」と照れ笑いを浮かべていた。

 この日はアウェーゴール裏だけでなく、メインスタンドにも青とオレンジのユニフォームに身を包んだ観客の姿が見られ、「千何百人の人たちが湘南の試合に来てくれて、広がりが出ているんだなとうれしかった」とほほ笑んだ。「県全体にV・ファーレンに対する思いを持ってもらっているので、もっと頑張らなきゃいけないなと思いました」。長崎の挑戦はまだ、始まったばかりだ。

(取材・文 竹内達也)

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