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[デンソー日韓定期戦]全日本大学選抜、MVP大橋の1G1Aなどで韓国選抜に競り勝つ!!

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勝ち越しゴールを喜ぶ全日本大学選抜MF相馬勇紀(早稲田大3年=三菱養和SCユース)ら

[3.18 デンソー日韓定期戦 全日本4-3全韓国 柏の葉]

 日本と韓国の大学選抜チームが戦う『第15回DENSO CUP SOCCER 大学日韓(韓日)定期戦』が18日、柏の葉公園総合競技場で行われた。過去ホームでの大会は6勝1分と圧倒的な成績を残してきた日本選抜が韓国選抜に4-3で勝利。最優秀選手には1ゴール1アシストを記録したFW大橋祐紀(中央大3年=八千代高)が選ばれた。

 4-1-4-1のフォーメーションで臨んだ日本選抜はGK小島亨介(早稲田大3年=名古屋U18)が最後尾に構え、最終ラインは左からDF小池裕太(流通経済大3年=新潟U-18)、DF菊池流帆(大阪体育大3年=青森山田高)、DF鈴木大誠(筑波大3年=星稜高)、DF岩武克弥(明治大3年=大分U-18)が並んだ。アンカーにはMF安部柊斗(明治大2年=FC東京U-18)。中盤は左からFW旗手怜央(順天堂大2年=静岡学園高)、MF名古新太郎(順天堂大3年=静岡学園高)、MF鈴木徳真(筑波大3年=前橋育英高)、MF相馬勇紀(早稲田大3年=三菱養和SCユース)が入り、1トップは大橋が務めた。

 試合は立ち上がりから“日韓戦”らしい激しいぶつかり合いを見せた。前半2分、浮き球をトラップで処理しようとした相馬に対し、勢い良くプレスをかけたMFイ・ビョンジュの足が接触。「バチン!」と鈍い音が響き、2人ともピッチに倒れ込んだ。しかし、幸いにも重傷には至らず。がっちりと握手をしてプレーに戻った。

 日本選抜はその後、難しいピッチコンディションの影響もあり、中盤中央の3枚に果敢に寄せてくる相手の守備に苦しみ、なかなかボールを回せない展開が続いた。一方、11人の平均身長で日本選抜を7.5cmも上回る韓国選抜は、最終ライン裏へのシンプルなロングボールで攻撃を試みる。なかでも1トップに入った184cmFWアン・スヒョンが脅威となった。

 ところが、先にスコアを動かしたのは日本選抜だった。前半20分、左CKを相馬がインスイングで蹴り込むと、ゴール正面で合わせたのはチーム最長身188cmの菊池。走り込みながらのハイジャンプで、長身揃いの韓国選抜DFに大きく競り勝ち、得意のヘディングから貴重な先制点を奪った。

 1点ビハインドの韓国選抜も前半36分、DFソル・ヨンウのロングボールにアン・スヒョンが抜け出し、左足シュートを試みるも空振り。しかし同38分、再び攻め上がったソル・ヨンウがアーリークロスを送ると、トップ下のMFイ・ミンギュがヘディングシュート。これが小島の手をかすめてゴールネットに突き刺さった。

 同点で迎えた後半は、日本選抜が続けざまに加点した。後半11分、左サイドをえぐった小池が中央に折り返し、ニアサイドで鈴木徳がスルー。ファーに走り込んだ相馬がダイレクトで突き刺した。さらに同14分、安部のスルーパスに抜け出した大橋が力強いシュートでネットを揺らし、リードを2点に広げた。

 日本選抜は後半15分、勝ち越しゴールを決めた相馬に代わってMF紺野和也(法政大2年=武南高)を投入。しかし同17分、スピードあふれる突破を見せたFWイ・ビョンジュが右サイドからカットインし、鈴木大をかわして放った強烈なシュートで1点を返した。

 それでも日本選抜は流れを失わない。後半19分、中盤で前を向いた旗手のミドルシュートはDFイ・ミニョンが顔面でブロック。着実にゴールへと近付くと、同23分、旗手の縦パスを受けた大橋が足裏ノールックでパスを戻し、再びボールを受けた旗手が右足でゴール左隅に叩き込んだ。

 2点リードの日本選抜は後半26分、最前線で奮闘していた大橋に代えてFW末吉塁(大阪体育大3年=初芝橋本高)を投入。末吉は左サイドハーフのポジションに入り、旗手が1トップに移った。

 後半33分、韓国選抜DFキム・サンヒョンが左サイドを突破し、クロスを配給。スライディングでクリアを試みた選手に当たったボールがゴールマウスに吸い込まれ、再び1点差となった。日本選抜は直後のキックオフ時、旗手と負傷した小池に代わってFW草野侑己(阪南大3年=JFAアカデミー福島U18)、DF黒川圭介(関西大2年=大阪桐蔭高)を入れた。

 韓国選抜は後半38分、右サイドを勢い良く突破したMFオム・ウォンサンがPA内に進入すると、角度のないところからシュート。これは小島が防いだが、直後の右CKをDFチョン・コンウクが放り込み、セカンドボールに反応したMFイ・フュギョンがダイレクトで狙い、わずかに上へとそれた。

 劣勢となった日本選抜は後半41分、右サイドからの折り返しを受けた名古がフリーで狙ったが、大きく枠外。同44分、ロングフィードに抜け出した草野のシュートはGKに阻まれてクロスバーを叩いた。同アディショナルタイムにはFWハ・ジェヒョンに1対1の場面をつくられるも、小島がビッグセーブ。最後に大ピンチを迎えたが、1点リードのまま試合を終え、ホームでの通算成績を7勝1分けとした。

 日本選抜の松本直也監督は試合後の会見で、「絶対に勝たないといけないなかで勝てたことがうれしい。4得点はトレーニングの結果が出たが、3失点したので力のなさを感じた」と感想を述べた。名古主将は「厳しい戦いになったが、2週間チームをつくってきて、勝利できて良かった」と振り返った。

 韓国選抜のシン・ヨンホ監督は「日本の攻撃のスピード、技術のレベルは韓国より高かった」と指摘。ユ・ウォンジョン主将は「たくさんの観客が入った中で、モチベーションは高かった」と明かしたうえで、「最後まで諦めずに戦おうと思っていた。良い経験になった」と述べた。

(取材・文 竹内達也)

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