[10.14 J2第37節 町田3-2大分 町田]

　FC町田ゼルビアのFW中島裕希が、第2子誕生を自ら祝福するゴールを決めた。

　1-2と逆転されて迎えた前半43分、MFロメロ・フランクのヘディングのこぼれ球を冷静に蹴り込む。前半のうちに追いつき、後半の逆転劇への流れを作った。

　当初は前半16分のゴールの際に、“ゆりかごパフォーマンス”を披露するつもりだった。中島には今月1日に第2子となる長女が誕生。7日の前節でゴールがなかったことで、今節はとの思いで試合に臨んでいた。

　そんな町田に前半16分、CKからロメロ・フランクが決めて先制点が入る。中島はゆりかごパフォーマンスをするものと構えていたが、ロメロは相手からボールを奪うと、ユニフォームの中に隠して“妊娠パフォーマンス”を披露。「あれっ、お前も!?」。中島だけでなく、チームメイトの誰もが驚く、夫人の“妊娠公開発表”になった。

　パフォーマンスの場を奪われた中島だったが、やり直しとばかりに自らゴールを決めて、念願のゆりかごパフォーマンスを決行。後半18分のロメロの決勝点が決まった後にもゆりかごパフォーマンスが行われたことで、「2回目恥ずかしかった」と苦笑いもあったが、「前節ゴールが取れなくて、(ゆりかごが)出来なかったので、ゴールを決めたらやろうと思っていた」と目じりは下がりっぱなしだった。

　この日のゴールで2桁到達。これで町田に移籍してきてからは3年連続となった。町田の顔の一人になった中島だが、「これで満足しないようにもっと向上心を持って、残り試合も取って勝ちたい」。2人の子供たちのためにも、34歳パパはまだまだ歩みを止めない。

(取材・文　児玉幸洋)

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