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岩手県勢最多タイの6年連続全国狙う王者・遠野が執念の勝利。後半ATに追いつき、延長戦で盛岡市立振り切る

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延長前半5分、遠野高FW赤坂輝海が勝ち越しゴール

[10.24 選手権岩手県予選準決勝 盛岡市立高 1-3(延長)遠野高 いわスタA]

 王者、執念の勝利――。第97回全国高校サッカー選手権岩手県予選準決勝が24日に行われ、岩手県勢最多タイとなる6年連続の全国出場を狙う遠野高盛岡市立高が激突。後半アディショナルタイムに追いついた遠野が延長戦の2得点によって3-1で勝ち、決勝進出を決めた。

 伝統校の意地、力を見せつけた。3分が掲示された後半アディショナルタイムは1分を経過。5連覇中の王者・遠野は追い詰められていた。前半に幾度かあった決定機を逸したことで盛岡市立を落ち着かせてしまい、後半立ち上がりに失点。その後、遠野はボールを握り続けて攻めるも、集中した守りを続ける相手ゴールを破ることができなかった。

 それでも諦めずに攻め続けた遠野が、1点をもぎ取る。41分、左サイド後方からPAへボールを入れると、交代出場のFW赤坂輝海(3年)が右足で狙う。再三の好守を見せていた盛岡市立DF2人がブロックしたが、そのこぼれ球に反応したCB畑瀬雅矢(3年)が渾身の左足シュートをゴールに突き刺した。

 長谷川仁監督が「伝統の力ですよね。最後の最後まで諦めない。それが遠野高校だと思います」と評した執念の同点劇。名門の選手たちは一瞬、興奮した表情でゴールを喜ぶと、すぐに切り替えて逆転ゴールを奪うことに集中する。

 そして延長戦前半5分、エースMF立花健斗(3年)のキープから、交代出場のMF塩谷直紀(3年)が1タッチのスルーパス。これで抜け出した赤坂が右足で勝ち越しゴールを流し込んだ。さらに、その2分後には右サイドで2人をかわした立花がクロス。これを交代出場FW及川魁士(2年)がニアで合わせて勝利を決定づけた。

 ファイナル進出を懸けた準決勝は攻守に力のある王者・遠野に盛岡市立が食らいつき、強みも発揮する好ゲームだった。互いにミスの少ない、締まった展開で試合がスタート。遠野は最前線の183cmFW菊池大和(2年)がほとんどの競り合いで競り勝ち、2列目で余裕のある判断を見せていた技巧派たちがコンビネーションやドリブルで相手の守りを切り崩す。

 だが、菊池大が2度、3度とあった決定機で決めきれず、我慢強く戦う盛岡市立に自信を与えてしまった。盛岡市立はGK小森慎太朗(3年)の質の高いキックを起点に、前線の俊足FW細川伊織(2年)やキープ力に長けたFW門脇岳人(3年)ら特長のあるアタッカー陣が1チャンスをものにしようとする。

 そして後半6分、小森が右前方へフィードを入れると、MF中村利生(3年)が競り勝ち、ゴール前へ抜け出した細川が左足で先制ゴール。遠野は後半開始から投入した俊足FW及川のスピードなどを活かしてサイドから攻め、CKの数を増やしたが、盛岡市立はサイドの1対1の攻防で粘り、中央の守りも堅かった。

 だが、伝統を背負って戦う遠野は執念の同点ゴールから延長戦勝利。劇的な同点ゴールでチームを救った畑瀬は「6連覇できるのは自分たちしかいない。成し遂げる義務がある。果たすために頑張りたい」と語り、主将のMF太田竜雅(3年)は「勝ててホッとしています。チーム全員で最後まで戦えたのが良かった。連覇を止める訳にはいかない。決勝へ向けて頑張りたい」と誓った。

 花巻東高との決勝で勝てば、56年度から61年度までの遠野と84年度から89年度まで盛岡商高が記録した6年連続全国大会出場に並ぶ。インターハイ予選で専大北上高に0-5で大敗してから「基本的なところをしっかりやる。ディフェンスから忠実にやる」(長谷川監督)ことを徹底してきた遠野は、特長のある選手を活かした攻撃で相手の守りを崩す力も十分にある。

 近年の全国大会では上位進出する前に惜敗が続いているが、「チームとしての目標はベスト8以上」(立花)。まずは決勝で岩手6連覇を達成し、さらに力を磨いて大目標に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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