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東京から岩手で挑戦中の2年生ボランチ安孫子、冷静な攻守と技術で花巻東の決勝進出に貢献

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存在感ある動きを見せた花巻東高の2年生ボランチ、MF安孫子正和

[10.24 選手権岩手県予選準決勝 盛岡商高 0-1 花巻東高 いわスタA]

 初Vに王手をかけた花巻東高の中で、特に印象的だった選手が2年生ボランチのMF安孫子正和だ。まずはリスクを負わないプレーを優先するチームの中で、安孫子はボールを受けると落ち着いて保持し、強弱をつけたパスを配球。チームの拠りどころとなり、またカウンターの起点にもなり続けていた。

 守備面でも味方が失った瞬間に切り替え速く相手との距離を縮めてタックル。後半17分には味方が足を滑らせてサイドを突破されたが、いち早くカバーした安孫子が決定機を阻止し、チームを救った。
 
 その安孫子は「準決勝という大きな舞台で応援してくれる生徒もいた中で、どれだけ落ち着いて自分のプレーに自信を持って、こういう場所で発揮できるかというのは前半から頭に入れつつプレーしていました。どんな時でも冷静にということをテーマに、カッとなったら負けだと思っていますし、背高い訳でもないので、頭を使って戦った結果がいいプレーになったかなと思っています」と頷いていた。

 安孫子は東京の多摩大目黒中出身。高い目標を持つMFは小学生時代に指導してもらっていた白瀧慶監督からの誘いもあって、岩手での挑戦を決めたのだという。「中学で全中(全国中学校大会に)出れなかったので、自分にはまだまだ何かが足りないなと思って、岩手県というちょっと離れたところで寮生活になりますけれども、心身ともに鍛えていきたい」と臨んだ岩手での日々。基本から徹底して取り組むチームの中で自身も技術を高め、名門・盛岡商高相手でも堂々としたプレーを見せて勝利に貢献した。

 ただし、白瀧監督は「ここで満足して欲しくない。もっともっと上を目指せる」と期待する。それに対して本人は、「まだまだですね。全国に出たいので、そのためにまだ2年生ですけれども、チームを引っ張れるような存在になりたいです。ここまでチームでやることはやってきたので、あと一週間しっかり調整して、チーム一丸となって何が何でも全国の切符を取りたい」と誓った。

 11月4日の決勝で勝利して東京に“凱旋“することができるか。柴崎岳やモドリッチに憧れるという2年生ゲームメーカーが強敵・遠野高との決勝でより存在感あるプレーを見せて、花巻東を初Vへ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018


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