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山形生え抜き11年目の主将、DF山田拓巳は悔し涙「個人的な不甲斐なさも」

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今季から主将を務めていたモンテディオ山形DF山田拓巳

[12.5 天皇杯準決勝 仙台3-2山形 ユアスタ]

「本当に平日ナイターにもかかわらず、ここまで来てくれるとは思っていなかった。仙台に引けを取らないくらいに熱い声援を送ってくれて、試合前から何としても勝たないといけないと思える雰囲気をつくってくれた」。アウェー側スタンドを埋め尽くしたサポーターに話が及ぶと、モンテディオ山形DF山田拓巳主将の目に光るものが見えた。

 天皇杯で初めて実現した“みちのくダービー”は決勝進出が懸かった大一番。4年前、前回の準決勝では決勝ゴールを沈めた山田はこの日、キャプテンという立場を担ってピッチに立った。序盤から失点が続き、苦しい展開となったが、しぶとく食い下がった。しかし、自身のボレーは大きく外れるなど1点が遠く、2-3で惜しくも敗れた。

 何よりも強く感じたのは山形が所属するJ2と仙台が所属するJ1のカテゴリ差だった。「結果的に2-3というスコアだけ見れば良いゲームだし、圧倒されて負けているようには思えない。ただ、やれる部分はあったけど、ピッチに立って力の差は感じていた。ちょっとのミスがあったり、あと一歩の寄せが足りなければ、スキを突いてくるのがJ1レベルだった」。

 山形は今季、J2リーグ戦で12位に終わり、J1昇格争いに加わることはできなかった。だが、天皇杯では柏、FC東京、川崎FのJ1勢を3連破し、ここまで辿り着いた。「J1クラブとやってきて、個人個人感じるものはあったと思う。試合が終わった後に涙する選手が多かったので、この今日の気持ちを忘れないで戦うべき」。そんな前向きな言葉も飛び出した。

 ただ、心残りは集まってくれた人々、そしてテレビの前で戦況を見つめた人々への思いだった。「こういう雰囲気の中で自分たちが結果を出していかないとサポーターの皆さんに恩返しできない。ホームにもっとたくさんのサポーターに来て頂きたいと思っているけど、こういう大事なところで勝たないと応援してもらえない」。在籍11年目の29歳にとって、現状は満足できるものではない。

「自分がピッチに立たせてもらって、思うような仕事ができなかったし、個人的な不甲斐なさもあった。若い選手が多い中で、準決勝と決勝で経験できるものは違うし、そういう経験をさせてあげたかったし、そういう経験をしたかった。そして、今度はタイトルを取りたかった」。4年前の準優勝を知るからこそ、伝えたいものもあったようだ。

 その悔しさは今後のサッカー人生で晴らしていくしかない。「どんな相手であろうと、J2のリーグ戦だろうと、一つでも多く勝って、一人でも多くの人にスタジアムに来たいと思わせられるようにしたい」。来季の夢を語った主将は「この悔しさを忘れず、一番の目標であるJ1復帰を果たせるように、そして天皇杯でもベスト4、決勝まで行って、初タイトルを取るというところにチャレンジしていきたい」と再起を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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