beacon
TOP > NEWS > 記事詳細

電動車椅子サッカードキュメンタリー映画「蹴る」が16日、「ヨコハマ・フットボール映画祭」で先行上映

このエントリーをはてなブックマークに追加

映像提供・ヨコハマ・フットボール映画祭

 世界中のサッカー映画をセレクトして紹介する「ヨコハマ・フットボール映画祭2019」が16、17日に横浜市の開港記念会館で行われる。9回目の開催でこれまでで最大となる14作品が上映され、様々なトークイベントも行われる。

 初日の16日には電動車椅子サッカー日本代表選手の日常を追った「蹴る」が上映される。生まれながらにして難病「SMA(脊髄性筋萎縮症)」を患い、まだ1度も歩いたことがないが、試合では華麗かつ激しいプレーを見せる永岡真理や、4歳の頃に発症した進行性筋ジストロフィー(ベッカー型)の影響で小学6年生の頃から自力歩行が困難になり、呼吸器を手放せない状態にも関わらず、国内屈指の実力を誇る東武範を中心に、日本代表に挑む選手たちの競技にかける思いや日々の葛藤を中村和彦監督を中心とするスタッフが6年間、追い続けた。

 電動車椅子サッカーは、4人の選手(男女混合)が自分が乗る電動車椅子をコントロールしながら、ドリブルやパス、回転シュートを駆使してゴール数を競い、日本障がい者サッカー連盟(JIFF)を構成する7つの競技のひとつだ。選手同士がルーズボールを奪うために猛然と突っ込むため、時折、電動車椅子同士が激しく衝突し、選手が車椅子ごと転倒してしまうほどの迫力だ。ある年の全日本大会に出られても、翌年は病気の進行により若くして天に召される選手もいる。まさに命がけだ。

 「生きていることが当たり前だとは思っていない」。

 こう明かした永岡真理が、身を削るような思いで電動車椅子サッカーにのめりこむ。病気の進行により呼吸障害に陥った東武範は、ある重大な決断を下す。自分の努力ではどうすることもできない難病とともに歩む運命を受け入れ、電動車椅子サッカーという生きがいを見つける。上達したいと思うがゆえに葛藤にも直面するが、濃密な人間関係の中から、甘い恋も生まれる。彼らのあるがままの心の揺れが、鮮明に映し出されている。

 「蹴る」の上映後には、中村和彦監督、永岡真理選手が登場し、質疑応答の時間もある。6年間の時を経て、ようやく完成した歓びや、ここまでの苦労話が聞けそうだ。

永岡真理(映像提供:ヨコハマ・フットボール映画祭)

 ヨコハマ・フットボール映画祭は、世界で年間100本近く制作されるサッカーをモチーフとした作品の中から、「ボールが蹴りたくなる作品」「サッカーを観たくなる作品」「サッカーを通じて世界を知れる作品」をセレクトして上映する日本初のサッカー専門映画祭。2011年2月以来、毎年2月に実施している。「蹴る」はこの映画祭で先行上映され、3月23日、ポレポレ東中野より全国順次公開される。

≪16日上映作品≫
「蹴る」
「オール・オア・ナッシング~マンチェスターシティの変化」
「ボールを奪え パスを出せ/FCバルセロナ最強の証」
「冷たい汗」
「足球少年養成 - 高校選手権チャイニーズレポート -」
「ピッチの上の女たち」
「MARIO」

≪17日上映作品≫
「ドーハ1993+」
「SITTIN’ ON THE HIGHER GROUND」
「ホペイロの憂鬱」
「ワーカーズカップ」
「カイザー!」
「わがチーム、墜落事故からの復活」
「アーリーマン ダグと仲間のキックオフ(日本語吹き替え版)」

(取材・文 林健太郎)

●電動車椅子/障がい者サッカー特集ページ
ヨコハマ・フットボール映画祭2019

TOP