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異例のFW総入れ替え…森保監督が初招集2人に求めるもの

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FW鎌田大地(写真左)とFW鈴木武蔵

 日本代表森保一監督は3月のキリンチャレンジカップ2試合に向け、FW陣の総入れ替えを敢行した。抜擢されたのは初招集の若手2選手だが、求めるものはいたってシンプル。「まずは得点を取ってもらいたいし、得点を奪う局面に絡んでほしい」と力強く語った。

 現在、絶対的エースのFW大迫勇也(ブレーメン)はアジア杯期間中の負傷から回復途上。指揮官は「彼が日本代表にとって重要な選手であることは、彼が示しているとおり、チームの戦いのとおり間違いない」としつつ、今回の合宿では招集を見送った。

 だがそのうえ、14日に発表されたメンバー表には、アジア杯で最前線を担ったFW武藤嘉紀(ニューカッスル)、FW北川航也(清水)の名前もなかった。代わりに選ばれたのはFW鈴木武蔵(札幌)、FW鎌田大地(シントトロイデン)。いずれも所属リーグで得点を積み重ねているストライカーだ。

 25歳の鈴木は昨季、J1所属だった長崎で29試合12得点をマーク。今季は札幌に移籍し、開幕3試合3得点で早くもブレイクの兆しを見せている。森保監督は「結果を残していることはわかりやすいし、札幌の中でも攻撃の部分で裏に抜け出すスピード、前線の起点になっており、彼の良さを出してプレーしている」と高評価を下す。

 22歳の鎌田はベルギーのシントトロイデン所属。昨年夏にフランクフルトから期限付き移籍して以降、23試合12得点を記録している。指揮官は「昨年シントトロイデンの視察をした際にも攻撃の起点として、攻撃の核として機能しているのを見てきた」とかねてから関心を寄せていたようだ。

 日本代表の1トップといえば大迫のような器用さも求められがちだが、指揮官が求めるのは得点力だ。昨秋に北川が初招集された際に、直前のリーグ戦での好成績が評価されての抜擢。この日の会見でも、指揮官は「(初招集の2人に)期待するところは得点」と明確な基準を隠さなかった。

「大迫だけじゃなく、誰が抜けても出ている選手でベストな戦いをすることを常に考えていきたい。私も監督として、その時の出場メンバーの中で日本がベストな戦いをできるように、選手の良さを少しでも活かしていけるようにトライしたい」(森保監督)。

 欧州組で最多得点の鎌田と、今季の国内組で最多得点の鈴木。彼らに求められるのは『大迫の代役』的働きではなく、リーグ戦でも披露してきた目に見える結果だ。

(取材・文 竹内達也)

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