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「危ない場面はいっぱいあるが…」無敗水戸、驚異の年間12失点ペース

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水戸の長谷部茂利監督

[4.3 J2第7節 東京V0-0水戸 味フィ西]

 水戸ホーリーホックはJ2第7節、東京ヴェルディとのアウェーゲームを0-0で終え、開幕からの無敗記録を7試合に伸ばした。好調の要因はここまでわずか2失点の堅守。4-4-1-1の陣形から無尽蔵に繰り出されるプレッシングで、J2リーグの攻撃陣を大いに苦しめている。

 年間42試合制のJ2リーグは7試合消化時点で1/6が終了。開幕から好調の続く水戸は首位の座こそ得失点の差で明け渡すが、無敗の2位をキープしている。中でも目を引くのは7試合わずか2失点という数字。これは年間12失点という驚異的なペースだ。(42試合制になって歴代最少は2014年湘南の24失点)

「選手たちが一体感を持っていて、GKから一番前まで連動した動きをトレーニングから積み上げている。試合の中で破られていること、崩されること、危ない場面はいっぱいあるが、そういったものがあってこそ2失点で済んでいるんじゃないかと思う」(長谷部茂利監督)。

 指揮官がそう評するように、堅守を支えるのは守備の連動性だ。コンパクトな4-4-1-1のブロックを敷いているが、それは「引いて守る」のではなく「奪いに行く」ためのもの。相手にボールを握られる時間帯が続いても、守備ブロック内に入ってくる相手選手には次々にプレッシャーがかかり、ズルズルと引かされるような印象はない。

 こうした守備について「日頃の練習からコミュニケーションを取って、話し合ってやれていることが無失点につながっている」と話すのはDF岸田翔平。昨季はJ1昇格を果たした大分でプレーしていたが、今季から水戸に加入し、1年目の開幕戦から主力の座を守り続けている右サイドバックだ。

 そんな岸田が堅守の要因に挙げたのは、絶妙な前後関係を保ってプレスをかけるFW清水慎太郎、MF黒川淳史の貢献度。「前線があれだけ走ってくれているので、後ろのほうも狙いやすいし助かっている」。実際、東京V戦でもプレスを受けた相手の縦パスが精度を欠き、水戸の選手の正面に向かう場面が目立っていた。

 前線がプレッシャーに行けば行くほど、後方の陣形とのギャップが空いてしまうリスクもはらむ。だが、水戸の守備陣はアバウトなロングボールに苦しむ形こそあれど、守備ブロックの内部を崩されるシーンはほとんど見せない。

「実は練習でうまくいかない時はあって、むしろ練習でうまくいかないからこそ、もう少しこうしたいというコミュニケーションが取れている。だから試合の中でもハーフタイムや試合が止まった時に、『さっきこうだったから、もう少しこうしたほうがいい』って話ができている」(岸田)。

 そうしたコミュニケーションに支えられた連動性は、控え選手にも広がる。今季は開幕からMF平野佑一とMF前寛之がダブルボランチを担ってきたが、前節の鹿児島戦(○1-0)からは平野に代わってMF白井永地がポジションを奪取。それでも2試合無失点が続いているとおり、守備の連動性に問題は起きていない。

「試合に出ていなくても守備は意識していたし、さらに自分がプラスアルファを加えないと試合に出られないので、そこは自信を持ってやっている。周りを使いながら奪えれば、攻撃の回数をもっと増やせる」(白井)。自身の持ち味である攻撃センスを活かすためには、周囲との連動性も保たなければならないが、そうした一貫性が身体に染み込んでいる。

 長谷部監督は試合後に「ネットを揺らすチャンスはあったが、最後の質のところでゴールを取れれば勝てたゲーム」と語っており、ドローという結果には満足していなかった。それでも、課題も残る試合で勝ち点1をもぎ取れっていけるのも大きな強み。J2最古参の通算20年目、いまの水戸には堅守という頼れる土台がある。

(取材・文 竹内達也)
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