beacon
TOP > NEWS > 記事詳細

[MOM2642]関東一MF佐藤誠也(3年)_ “サヨナラFK”!自信を持って振り抜いた右足で勝利へ導く

このエントリーをはてなブックマークに追加

延長後半アディショナルタイム、関東一高MF佐藤誠也が劇的な決勝FKを決めた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.13 関東大会東京都予選2回戦 成立学園高 1-2(延長)関東一高 駒沢2]

「痺れました。久々にこんなに気持ちいい感じを味わえた」。関東一高MF佐藤誠也(3年)は、後半アディショナルタイムに決勝FKを決めた瞬間について、そう振り返った。

 2回戦最注目カードは1-1のまま延長戦へ突入。アンカーとして奮闘してきた佐藤は、足が攣りかけていたという。延長後半6分に強引にDFを1人、2人と突破してシュートまで行こうとしたシーンがあったが、それも攻め残っていたところに上手くボールが来たから。相手の動きを冷静に見ながら攻撃をコントロールしたり、カウンターから自ら持ち上がったり、守備の部分でも奮闘していた佐藤だが、その足は限界に近づいていた。

 延長後半終了間際、関東一はFW安藤慎之助(2年)がFKを獲得。成立学園高がFKの守備準備をしている間に佐藤はベンチ前へ行って水分を取り、小野貴裕監督からアドバイスを受けていた。「自信持っているんだから自信持って蹴ってこい」。その言葉を受けた佐藤は「気持ちが最後に良い形で抜けて蹴れたと思います」とゴール正面、約25~30mの距離から右足を振り抜く。

 壁の上を越えたボールはそのままゴール左隅へ。成立学園はPK戦を想定してGKを入れ替えてきていたが、シュートはそのGKが一歩も動くことのできないコースへコントロールされてネットを揺らした。

 決勝ゴールを喜んでいる最中に試合終了の笛。まさに“サヨナラFK”を決めた佐藤は「最初は壁の外を巻いて右の方向に蹴るか、ちょっと壁は高いかなと思ったんですけれども、ちょっと落とす感じでやればと。一回、(1月のニューバランスカップで)同じような感じで決めていてイメージはあった。しっかりと、あまり考えすぎずに蹴りました」。最後の1プレーに集中し、練習の成果を発揮したMFがチームを東京準々決勝へ導いた。

 佐藤は1年時のインターハイ準々決勝(対市立船橋高)でゴールを決めるなど下級生時から活躍してきた選手だ。だが、今年はSBで起用されるなど、なかなか中盤のポジションを勝ち取ることができなかった。

 それでも、他のポジションでプレーすることで、自分の役割を再確認。「自分が真ん中やった時にどういうタイミングで関わってほしいとか、どれくらいシンプルにやってほしいか、違うポジションから違う目線で考えることができるようになった」というMFは、よりチームが必要なプレーをすることのできる選手となって中盤の底のポジションに戻ってきた。

 技術力高い佐藤は自陣PAでも落ち着いてターンしたり、プレッシャーに来た相手の逆を取る形で何度も前進。ポゼッションの際に味方が苦しい状況になっても、佐藤がサポートしてパスの収まりどころになっていた。参考にしているのはオランダ代表のMFだ。

「最近はアヤックスのフレンキー・デ・ヨングのプレーを見ています。(彼はどこからも)運ぶじゃないですか。ボールの置きどころとか相手と入れ替わるタイミングとか参考にしてやっています」。バルセロナへ移籍することが決まっているデ・ヨングのように、ボールを運ぶ姿を見せていたMFが、試合を決める活躍もしてのけた。

「3年になって、最後しっかりチームを勝たせることを心の中で思って試合に望むことができている」と佐藤。今月初めに行われた東京都1部リーグの実践学園高戦では強敵相手に50m近いドリブルから決勝点を決めている。まだまだ攻撃をコントロールする部分を高めることが必要だが、全国での活躍も、苦しい経験もしてきた注目MFが、見せている素晴らしい働き。今後も「勝たせることを心の中で思って」プレーし続け、関東一に白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

TOP