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レアル撃破のFC東京、FW野澤零温が「連絡を取り合っていた」“ピピ”中井の前で先制パンチ

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試合前のあいさつで野澤の頭を叩く“ピピ”中井

[4.21 U16キリンレモンCUP決勝 レアル・マドリー1-1(PK2-4)FC東京]

 先制パンチが決まった。開始1分、右サイドから上がったクロスがFW野澤零温の頭にピタリ。豪快なヘディングシュートがゴールに突き刺さった。「最初の時間帯に隙があるというのは分かっていたので、そこを決めれれば勝てるかなと思っていました」。その後追いつかれたFC東京U-16だったが、PK戦の末に勝利し、レアル・マドリーの連覇を阻止した。

 野澤は前日はFC東京U-18の一員としてプリンスリーグ関東の桐生一高戦に参加。今大会は最終日のみの参戦となっていた。「ヒーロー持ってかれちゃいましたね」とPK戦の2本のストップでMVPに輝いたGK彼島優の活躍には苦笑いだったが、「まだまだ(点が)取れるチャンスもありましたし、自分としては結構通用したと思います」と大きな自信を得ることが出来た。

 決勝は楽しみにしていた対戦でもあった。レアル・マドリーのカテーデA(U-16)に所属するMF中井卓大とは昨年10月に行ったU-16日本代表でともにフランス遠征を戦った仲。その遠征で意気投合した2人は普段から電話を掛け合ったり、今大会前にも無料通信アプリの『LINE』を通じてメッセージを送り合っていたのだという。試合前のあいさつでは、中井が野澤の頭を叩いていく“仲の良さ”をみせていた。

「キリンで来るというのも知っていたし、連絡も取り合っていた。だから今日戦えてよかった。これからも切磋琢磨しながら頑張って、また代表でも一緒にやりたい。そしてまたいつか、どこかで対戦したいですね」。またどこかで――。彼らが誓う世界レベルの競争がみられれば、日本サッカーの未来は明るいはずだ。

(取材・文 児玉幸洋)

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