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星稜・河崎総監督がこだわる「満足度」。和倉ユース大会はB戦も順位戦も“本気”のフェスティバル

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星稜高の河崎護総監督。和倉ユース大会決勝の会場、城山陸上競技場をバックに

“日本最大級のユースサッカーフェスティバル”、第7回和倉ユースサッカー大会が8月7日から10日まで行われた。48チームが参加した大会は矢板中央高(栃木)、前橋育英高(群馬)、ヴィッセル神戸U-18(兵庫)、そして浜松開誠館高(静岡)がベスト4進出。決勝で浜松開誠館をPK戦の末に下した前橋育英が、2度目の優勝を飾った。

 和倉ユース大会は7月22日から8月20日まで、計9大会が開催されている第32回石川県ユースサッカーフェスティバル2019のトップトーナメントだ。Jクラブユース12チーム、高体連からはインターハイ優勝の桐光学園高(神奈川)や青森山田高(青森)、市立船橋高(千葉)、大津高(熊本)、そして地元石川の名門・星稜高などの強豪校が参加。和倉ユース大会、石川県ユースフェスティバルの土台を築いた星稜・河崎護総監督は「クラブは高体連の刺激を受ける。高体連はクラブの巧さとか巧みさを学ぶ。お互いにとって良いと思うよ」と語る。

 今夏の和倉ユース大会は連日、気温30度を超える暑さの中で開催された。だが、30分ハーフのゲームは最終日までテンション高い試合の連続。準決勝や決勝はもちろん、敗退チーム同士の順位戦も本気度が高かった印象だ。選手権日本一やプロ入りを本気で目指す選手たちがモチベーション高く、ライバルたちと競い合っていた。

 昇降格があり、和倉ユース大会の下位2チームは金沢ユースサッカー大会へと降格するレギュレーション。グループリーグの下位に沈んでしまうと、3日目、4日目の順位トーナメントで降格の可能性が出てしまうため、各チームは1日目、2日目から全力で勝ち点を取ろうとする。

 また、和倉ユース大会はB戦の盛り上がりも興味深い大会だ。B戦は2勝することに“景品“として米5kgを獲得。河崎総監督は「景品もつけることで、監督も真剣にやるようになった(笑)。今年はB戦の勝者に1、2日目はお米をあげて、3日は(地元の石川県発祥の)ゴーゴーカレーが景品。B戦で勝てばカレーライスができる。だから、僕らもB戦に力が入るんですよ。この大会の面白さはB戦が気を抜けない。そして、3日目、4日目に消化試合がないこと」と笑った。

 今年はA戦の優勝チームに米40kgや掃除機、準優勝チームには暑さ対策用のプールが贈呈された。賞状やトロフィーではなく、石川県産米の『ゆめみづほ』、最高級カニカマ『香り箱』(株式会社スギヨ)といった地のものなどの“景品”を各チームが全国各地へと持ち帰るのだ。優勝した前橋育英の選手たちが米俵を掲げて喜んでいたシーンも印象的だった。

 石川県ユースフェスティバルは当初、金沢市でスタート。その後、参加チーム数の増加とともに、グラウンドを求めて能登や加賀方面に広がっていったのだという。和倉ユース大会が開催された七尾市の和倉温泉では、2010年に整備された和倉温泉多目的グラウンド(人工芝3面)や2013年に整備された能登島グラウンド(人工芝2面)に選手は宿泊施設からバスや徒歩で訪れてプレー。河崎総監督は「今では各地であるかもしれないけれど、15年前から岡田屋さんのおかみさんが選手の洗濯ものを全部洗ってくれていた」と語っていたが、宿泊施設やボランティア、行政関係者など、参加チームを満足させる環境づくりや大会運営をサポートしてくれる人たちに感謝する。

「満足度が一番重要」と言う河崎総監督の理想の大会に近づくことができたのも、河崎総監督ら現場の人たちの力に加え、サポートの力があったからこそ。「支える人の意識とクオリティが上がったことでこういうフェスティバルになった。和倉温泉の旅館の皆さんの協力がある。認知されてきたのも地元の人たちの協力のおかげかな。美味しいものを腹いっぱい食べさせてくれたり、温泉に一日3回も4回も入って疲れを取らせてもらったり。そして、海に突き出たグラウンド。あのロケーションはなかなかないですよ」。選手にはサポートする側への感謝する心を持って欲しいという思いもある。

 河崎総監督は和倉ユース大会の今後へ向けて「質を維持しながらやっていきたい」と語る。将来的には日本を飛び出して国際大会を開催し、ユース世代の選手たちに真剣勝負する機会を与えたいという目標も。選手、コーチングスタッフ、チームが満足してくれる環境を求め続けて土台を作った河崎総監督は、今後もその満足度を一番に求めながら大会の発展を目指す。
 
(取材・文 吉田太郎)

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