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[MOM3076]日大藤沢DF青木駿人(3年)_桐光撃破、全国導いた「素晴らしいキャプテン」

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日大藤沢高を優勝へ導いたCB青木駿人主将(左)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.30 選手権神奈川県予選決勝 桐光学園高 0-1 日大藤沢高 ニッパ球]

 誰よりも「打倒・桐光」に闘志を燃やしてきた男は、素直に宿敵からの勝利を喜んでいた。自分で言うのも何なんですけれども、自分が一番(自分たちのレベルを引き上げてくれる)桐光への感謝だったり、去年の悔しい思いをずっと持ち続けて一年間取り組んできた。自分が先頭に立って、みんなに声かけながら『借りを返そう』とここまでやってきて、本当に決勝は自分が何かした訳ではないんですけれども、日大藤沢一体となって優勝という形が得られたので、ここまで引っ張ってきて良かったと思います」。インターハイ優勝校の桐光学園高を倒して全国出場。日大藤沢高の優勝の立て役者は、間違いなくCB青木駿人主将(3年)だった。

 本人も認める通り、特別なプレーをした訳ではないかもしれない。だが、決勝ではU-20日本代表FW西川潤(3年)を擁する桐光学園を完封。各選手の立ち位置を修正したり、集中させたりしながら、自身は相手のロングボールやクロスを確実に跳ね返した。

 桐光学園は失点後に185cmFW庄司朗(2年)を投入し、試合終盤には184cmCB奈良坂巧(2年)のポジションも上げてゴールを目指してきていたが、183cmのCB青木はコンビを組んだCB宮川歩己(2年)らとともに、シャットアウト。攻撃面でも落ち着いてボールを動かし、サイドチェンジやスペースへの配球を見せていた。

 佐藤輝勝監督は厳しさを持ってリーダーとしての役割を務めてきた青木を称賛する。「素晴らしいキャプテン、リーダーがいて、嫌なことを率先してやって、嫌なことも言って、本当に嫌われ役になってやったと思う。『高校生にそこまでできるのか』と、こっちが頑張んなきゃと思わされるくらい、こっちが成長させられるくらい、素晴らしいキャプテンだと思いますよ、この子は。本当に応援させてもらいたくなる」。過去にも日大藤沢が結果を残した世代には必ず素晴らしいリーダーがいたという。今年の日大藤沢には、青木がいた。

 昨年度選手権予選は桐光学園に2-0から逆転負け。リベンジを誓って挑んだインターハイ予選は直接CKの1点に泣いた。「まだまだ甘い」と痛感してから青木は、仲間たちによりキツいことを求め、一緒になって甘えや隙を排除し、半歩でも成長することを目指してきた。

「インターハイの準決勝も悪い内容ではなく、自分たちがボールを持っていて、圧倒的に攻めていたと思うんですけれども、そこで一個の隙でやられて、その桐光が日本一を取って、自分たちも本当に全国出ればもっともっとやれるという自信があったので……。この夏で自分たちも全国出て、自分たちのサッカーで全国勝てるようにという思いで、苦しい思いが結構あったんですけれども、しっかりと走り込んで、それがこの冬の選手権に結果として表れて良かったです」

 人に強く言う一方で、言うだけになってはならない。だからこそ、自分に対しても厳しく接し、より隙の無い存在となった。神奈川県予選は全試合無失点。佐藤監督は「本当に言うからには自分がやらなきゃいけなくて、陰で体作りや体幹や、自分が厳しく言うということは言われるということだから。そこは個人アプローチも頑張った子だし、『木も見て、森も見れた』ということは本当に素晴らしいですよね」と賛辞を並べていた。

 大きな壁を突破した。だが、目標は全国制覇だ。「ここは通過点だと思っている」というリーダーは、またチームメートに厳しさを求めながら、貪欲に自分とチームの成長を果たして全国のピッチに立つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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