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[MOM3090]横浜FCユースMF宮原輝(3年)_分かっていても止まらなかったカットイン。復活の10番が右サイドで躍動

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横浜FCユースの右サイドで躍動したMF宮原輝

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.15 プレミアPO2回戦 横浜FCユース 2-1(延長)富山一高 広島一球]

 何度も左サイドを崩されたため、富山一高の控え選手から「またカットインが来るぞ」との声が飛んだが、分かっていても簡単には止められない。緩急をつけたドリブルと正確な左足キックで、横浜FCユースの攻撃を右サイドから牽引し続けたのがMF宮原輝(3年)だった。

 10番に相応しいキレのある動きを見せた宮原だが、高校3年目を迎えた今季は苦しい一年を過ごしてきた。2年ぶりにプリンスリーグ関東に挑んだ横浜FCの主軸として、開幕から出場機会を重ねてきたが、5月に行われた日本クラブユース選手権U-18の関東予選で左膝の靭帯を損傷。「クラブユースで全国の舞台に立てなくて、かなり悔しい想いをした」。高校1年生の時にも右膝の靭帯を切っているため、気落ちしてもおかしくなかったが、2度目の大怪我をしてからも「どうにかチームの力になりたい」とメンバーのサポート役に徹するなど前を向き続けた。

 復帰戦となったのは、11月に行われたプリンリーグ関東第17節の前橋育英高戦。FKからFW佐々木翔(3年)のゴールをお膳立てして、改めて実力を証明した。迎えた今回のプレミアリーグプレーオフ1回戦・岡山学芸館高(中国1/岡山)戦でも攻撃の核となり、4-0での勝利に貢献。初のプレミアリーグ参入がかかった2回戦の富山一高(北信越2/富山)戦では、よりピッチ内で強烈なインパクトを残した。

 富山一は5-3-2のシステムを採用する。攻撃時にはWBが高い位置を獲る機会も多いため、右サイドに入った宮原の対面の守りは薄くなりやすく「自分のところはフリーで受けられると監督から言われていた。自分のところでボールを貰って一旦リズムを作るのはチームとしても意識していた」。前半こそ見せ場を作る機会が少なかったが、後半からは積極的にカットインを繰り返し、中を警戒されたらタメを作って右SB田畑麟(2年)のオーバーラップを活用。2人で相手の警戒を散らしたことが右サイドの活性化に繋がった。

 後半6分には左サイドでボールを持ったMF佐々木柊真(2年)のパスが反対サイドの宮原の下まで届いた。ボールを持った宮原は迷うことなく、フェイントでマークを剥がして中に切り込むと、左足一閃。「左足は得意なので大事にしている形」から放ったシュートがゴール右上に突き刺さり、先制点となった。続く11分にも、MF中川敦瑛(2年)のパスからゴール左隅を狙ったが、GKの好セーブに阻まれ2点目とはならず。以降も追加点は奪えなかったが、延長後半5分にピッチを退くまで、攻撃で存在感を示した。

 勝利の立役者となった宮原は、「復帰したら、自分がどこかでチームを勝たせる仕事をしたいと思っていた。最後に皆が残してくれたプレーオフの舞台で10番を背負っている自分がやるしかないとも思っていた。そうした気持ちが結果に繋がったので、素直に嬉しい」と喜びと口にした。怪我の影響もあり、目標にしていたトップチーム昇格は果たせなかったが、この日の活躍を続けることができれば道も開けるだろう。「大学4年間でもしっかり結果を残して、将来は日本の10番を背負える男になりたい」と言い残し、ユース生活に終わりを告げた。

(取材・文 森田将義)
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