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オーストリア遠征初日 森保一監督オンライン会見要旨

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日本代表を率いる森保一監督

 日本代表森保一監督が9日、オンラインにて取材に応じた。要旨は以下のとおり。

森保一監督
――グラーツは寒そうだが、気候はいかがですか。また、試合、キャンプの地に立たれて、どういう心境か?
「昨日の夜にグラーツについて、日本との気温の差を感じている。かなり寒いなという印象。飛行機降りたときの気温は5度くらい。日本から移動してきた我々にとっては、寒く感じるところがあるが、ヨーロッパで活動している選手たちで代表活動するので、選手たちは慣れていると思っている。今回のオーストリアでの活動においては、10月の代表活動をさせて頂き、そこで成果と課題を整理して、11月の代表活動にあたるので、すべてにおいて、レベルアップできればと思っている。10月に招集できなかった選手も来るので、そこで選手たちのコンディションを見られればと思う」

――グラーツは(イビチャ・)オシムさんのイメージがあるが、オシムさんと会う予定は?
「できれば、オシムさんとお会いして、私自身もお話しができればなと思っているし、代表の選手、スタッフの前に来て頂いて、何か話をして頂いたり、コミュニケーションを取る場があれば嬉しいと思っている。スケジュール的に確定していないが、オシムさんと代表選手、スタッフが会う機会ができればということで、チームスタッフには調整してもらっている。コロナの感染状況等があり、人の行き来ができるか、オシムさんの安全を考えたときに、我々と会うことは可能かどうかということは、調整してもらっている。初対面ではないが、S級を受講していたときに、オシムさんのトレーニングを見に行って、ディスカッションさせて頂いただけで、プライベートな時間でお会いしたことはないので、初対面と言ってもいいと思う」

――10月に続いての活動。ヨーロッパでの感染者数が増え、規制が入り始めた中で、昨日移動して感じた空港の様子や街の様子は?
「10月にオランダに移動したとき、11月にオーストリアに向かう途中で、大きくはあまり変わっていないと思う。成田空港は10月のときよりも人が増えているのかなという印象を受けてきた。アムステルダム経由でグラーツに入ってきたけど、アムステルダムの空港やグラーツの空港は人がほとんどいなくて、閑散としている印象を受けている。ヨーロッパでのコロナの感染拡大ということで、状況が悪くなっていることを聞いたが、移動については逆に人が少ないので、リスクに関しては少し低いのかなと思うし、我々が滞在しているホテルは、完全に貸し切りで使わせてもらっているので、一般の方と接することがなく、より安全に過ごせると思う」

――ヨーロッパの感染者数が増えて、もしかして試合ができないかもという不安は。
「10月の活動においても、直前までは活動ができるかどうか分からないと思っていたし、実際にオランダのユトレヒトに着いても、いつ中止になっても、そこは覚悟しておかないといけないと思っていた。11月のオーストリアの活動についても、これまでのコロナウイルスの感染拡大の世界情勢を考えると、中止になることも覚悟しないといけないと思っていた。これからグラーツでトレーニングしながら、試合に向けて準備していくが、宿舎では安全は確保されるように、少しでも安全に過ごせるように感染対策をしながら、日々過ごしていきたいが、我々だけで試合ができるわけではないし、相手であったり、地域で起こることであったりということで、ひょっとしたら活動が難しくなることも考えておかないといけない。我々にできることは、日々、我々にできる最善の準備を試合に向けて続けていくことだと思うので、最後の可否、どうなるかは、その時の決定に従うということで、しっかり準備していきたい」

――奥川雅也を追加招集。彼の変化や最近のプレーをどう見て、今回招集しようとなったのか。
「我々がヨーロッパでプレーする選手を、毎節、スカウティングで確認しているリストには入っていて、毎試合彼の出場記録や映像を確認してきた中で、彼自身のパフォーマンスも上がっていると思うし、たとえば南野がザルツブルクにいた頃から試合に絡めるようになっていたけど、南野がリバプールに移籍して、ザルツブルクの選手が変わっていく中で、レギュラーというような形でプレーできるようになってきていることは確認している。本人のプレーの存在感というか、力強さもチーム内においても増してきていると思っている。最近では、チャンピオンズリーグのバイエルン戦でも得点を取っているし、得点シーンは彼の特長でもあるようなプレーが出ていると思うし、スペースがない中でもボールを受け、スムーズにボールをゴールに向かって運んでいくという特長を強い相手にも出せていることで、今回のリストにも入っていた中で、彼を追加で招集することになった。彼の日常でのプレーをチェックしていく中で、FWとしてプレーでき、サイドハーフでプレーでき、サイドバックもやっており、試合に出るたびにチームのために、どこのポジションでも戦っていこうという姿勢を見せてくれているので、今回招集させてもらった」

――今回の2試合、メンバー起用のイメージは?
「まずは選手たちのコンディションを見て決めていこうというのがある。10月の活動でも全員を使えなかったけど、少しでも多くの選手たちを試しながら2試合できればと思っている」

――前回の大迫のように途中でクラブに戻る、離脱する選手はいるのか。
「これまでの情報や報告の中では、途中離脱してチームに帰る選手はいないと思っている。これから、もし状況が変わることがあれば、そういう選手もでてくるかと思うけど、現在のところでは全員キャンプ期間中参加できると聞いている」

――今回の活動で戦術的に試しておきたいことは?
「戦術の幅は常にオプションとして広げていきたい思いを持っているので、10月のオランダでの活動も3バックであったり、4バックであったり、試合の中で試したり、練習の中でも選手に共通認識を持ってもらえるように時間を使っている。ただし、戦術等々のオプションを広げたいというのは持っているけど、大切なのは、常に我々の戦うベースの部分を、どれだけしっかり、いつも発揮できるかが大切だと思っている。代用活動は1度活動したら、選手はそれぞれ所属チームに戻っていくし、まずは戦術のギャップが所属チームと代表ではあると思うので、まずはベースの部分の確認をいかにできるかに時間を使いながら、我々の戦いの幅を広げていかないといけないと思っている」

――堂安が来れなくなったが、クラブが発表してから代表のリリースが出るまで時間があった。その間にクラブとのやり取りや本人とのコミュニケーションがあったのか。
「発表のタイミングは別として、チームスタッフと、選手の所属クラブとは常にコミュニケーション、コンタクトをとっていて、招集に向けて話をさせてもらっている。その中でタイムラグがあったと思われている部分では、クラブと代表スタッフとのやり取りがあったのかなというふうに思う。正直、招集自体を本人と話すことはない。今、日常生活の中で彼がなかなか食事もうまく取れないような状況にあるということを、代表のチームスタッフが聞いていて、ヨーロッパ駐在のスタッフがどう対応できるかを本人と話していると思う。少しでも選手に対して良いサポートができるようにということではコンタクトはとっている」

――今回のキャンプで選手に呼びかけたいことや求めること。確認するベースの部分をどう考えているか。
「まずは、10月にオランダで活動して、11月の、世界的なコロナ情勢を考えた場合、活動するのが困難な状況の中、いろんな人の尽力があって、代表活動をさせて頂けることを感謝しながら、活動に臨めるようにしたい。10月の活動を踏まえて、われわれがレベルアップするところ、常にレベルアップすることを目指して活動することを確認して、キャンプに臨めればと思うし、ベースの部分を必ず確認しながらというところでは、選手たちは所属チームと日本代表でプレーするときに迷いがなく、プレーできるように整理して練習や試合に臨んでもらえうようにしたいと思っている」

――奥川はJリーグで5試合しか出ていない。ヨーロッパで地道にキャリア積んできたが、他の選手と違う部分や彼に感じる特徴的な部分は?
「国内外の違いは、彼のことを皆が見てきているわけではないので、分かっているとは言えないところもあるが、育成年代のときの情報収集もさせてもらっているし、代表にも関わってきているので、そのときにどうだったかや、特長であったりは聞いている。Jリーグの方ではそんなにキャリアがないけど、国内でやるか海外でやるかはそれぞれの価値観の違いだと思う。自分の目標をしっかり整理して、目標を持って地道に、厳しい環境の中でタフに戦っていると思う」

――日本での印象はテクニシャンでドリブラーだと思うが、ヨーロッパで得点数も増えている。一番評価している部分は?
「得点に絡めるところ。去年も二桁までいかなかったけど、得点はチームの中で取っているし、アシストにも絡める。ゴールに向かって得点する、アシストする特長を持った選手だと思う。そこは、よりザルツブルクだったり、ドイツの2部でもプレーしていたと思うが、2試合連続ゴールしたり、より得点という結果を出して、自分を認めてもらう意思、プレーの貪欲さが伝わってくる。トップでフォワードとしてプレーできるし、中盤の右も左もプレーできるし、サイドバックでもプレーしている部分、まずは特長である得点に絡む部分を貪欲にやりながら、試合に絡めるならチームのために、どこでもプレーするという姿勢を映像を通して感じている」

――今回は前の招集はポジションで?
「そうです。前の方のポジションです」

――コロナ禍で選手のスカウティングも難しい中、中東やアメリカでプレーしている選手もいる。現状のスカウティングのカバー範囲、どれだけの数の選手を、どういう体制でスカウティングをしているのか。
「海外組の情報だけで、約50人くらいの選手の情報は我々は持っていて、その選手たちの毎節の出場状況を情報として拾っている。スタッフ総出で海外でプレーしている選手たちをグループ分けして、一人のスタッフが何人か見るということで、世界の映像をほぼ入手できるので、すべてとは言い切れないと思うけど、ほぼ確認できていると思っている。私自身は毎節というか、毎日というか、できるだけ多くの選手を映像で確認できるようにしている。選手について担当のコーチがいるので、スタッフミーティングの中で報告し、共有する作業は常にやっている。中東やアメリカ、ブラジルにも選手がいるけど、映像では全世界確認できるので楽しく見させてもらっている」

――週どれくらい見ているのか。
「できるだけ等倍速で見るようにしていて、アウト・オブ・プレーは飛ばしながら見たり、オランダから帰ったときは数えたら10試合見ていたときもあるけど、ただ、試合は選手の出場時間によっても変わる。90分出ている選手たちは90分、間を飛ばして見たり、途中出場の選手はその時間だけ見るとか、流れが分からずに見ているところもあるけど、選手がピッチに立っているプレーはできるだけ確認しようということで試合を見ている」

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