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「ほぼ負け無し」。気持ち吹っ切り、選手権で全国レベル証明した“エアファイター”山梨学院CB一瀬大寿

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山梨学院高CB一瀬大寿は選手権で高さを存分に発揮した。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.11 選手権決勝 山梨学院高 2-2(PK4-2)青森山田高 埼玉]

「空中戦の部分では自分の中ではほぼ負け無しだったかなと。少し自信になりましたね」。“甲斐のエアファイター”山梨学院高CB一瀬大寿(3年)にとって選手権は、本気で目指しているプロ入りへの大きなステップの大会となった。

 甲府U-15から山梨学院進学後にボランチからコンバートされた187cmCBは、準決勝でロングスローからヘディング弾。昌平高(埼玉)との大一番でも頭で決勝点をアシストしている。守備面でも抜群の高さを活かして相手の前に立ちはだかり、「(以前は課題だった)対人やカバーするというところでも、良いところが出せたんじゃないか、成長したところが出せたんじゃないかと思います」。自分のことだけになるのではなく、素早いカバーリング、身体を投げ出す動きで穴を塞ぐなど、味方のフォローもしながらゴールを守っていた。

 本人もJリーグ内定選手たち相手に渡り合うことができたと実感している。準々決勝の昌平戦では新潟内定FW小見洋太(3年)と対峙し、1-0で勝利。「仕事させてしまったら負ける。そこを抑えることが勝敗に直結すると思っていたけれど、そこを潰し切れた。前やったプリンス(リーグ)の時よりは絶対に仕事をさせていなかったと思います」と振り返る。

 また、決勝戦は浦和内定、U-19日本代表候補のCB藤原優大(3年)を擁する青森山田高との戦い。「(藤原らが)どういうレベルか知りたかったですし、セットプレーでマッチアップして自分の中でも戦えたと思います」と振り返る内容で勝利に貢献した。藤原にポスト直撃のヘディングシュートを放たれたことも確かだが、全国トップレベルの高さを誇る相手とも十分に勝負する力があることを印象づけた。

 卒業後は東京都1部リーグの山梨学院大へ進学予定。高校からプロ入りを果たすことはできなかったが、長谷川大監督が「アイツは能力高いですよ。(J1、J2 クラブに入団できるレベルの)原石だと思うんですよ」と評していたDFは、大会優秀選手にも選出され、全国レベルの力を証明した。「(将来のステップに)大分なりましたね」と語ったように、現時点での自分の立ち位置、プロ内定選手との距離を確認することもできたようだ。

 今大会は怪我もあり、ベストのパフォーマンスができた訳ではない。初戦の米子北高(鳥取)戦は自身初の選手権の緊張で思うようなプレーができず、足を攣らせて途中交代。交代出場のCB加藤豪太(3年)の決勝ヘッドによって勝利した試合だった。

 嬉しさと「少し悔しい思い」の両方があったという初戦。それでも、自分の中で気持ちを吹っ切り、気合を入れ直した後は「自分はもっとやってやんなきゃな」「緊張よりはやってやろう」の思いを全面に表現した。プリンスリーグ関東で敗れている昌平戦も「絶対に負けたくない」という思いがエネルギーに。山梨学院での3年間によってチームを引っ張れるようになったというCBは、勝ち上がる中でより自分の思いをピッチで表現できるようになり、優勝の立て役者の一人になった。

 一瀬は選手権を振り返り、「今年は大会ができなくて選手権に懸ける思いというのは今までの代の人たちとは全然違うもので、それは他のチームの人も一緒だと思うんですけれども、その中でけが人が続出したり、そういうアクシデントもあった中、チーム一丸となって戦えたことが日本一になれた要因。本当に学院は層も厚いので、このメンバーで取れたのは『一生の宝物』になるかなと思います」と仲間たちに感謝する。

 そして、OBのCB渡辺剛(FC東京)に憧れる一瀬は、将来へ向けて「日本一になれたことは本当に嬉しくて、その中でもキツイ状況でも耐えたりすることもできましたし、自分の強みを再確認できた大会でもあったので、そこを過信せずに、自信にして、大学でも遠慮せずに自分の良いところを出していってチームの勝利に貢献していきたい」と力を込めた。

 決勝翌日の12日に自宅へ。帰宅すると、幼稚園の恩師たちから花束が届いていたのだという。「少しずつ日本一の実感が出てきたという感じですね」と微笑んだ一瀬。数少ない地元・山梨出身の先発選手としてチームを支えたCBは、家族や仲間、恩師らの応援も力に、山梨からJ、その先のステージを目指す。

(取材・文 吉田太郎)

(※山梨学院高の協力により、リモート取材をさせて頂いています)
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