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自主的に始めた3年生の朝練で絆深め、円陣・ハイタッチで試合へ。比叡山FW仲川主将「全員で掴み取った勝利」:滋賀

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比叡山高はどこにも負けない一体感を持って決勝も戦う

[6.3 インターハイ滋賀県予選準決勝 近江高 1-2 比叡山高 布引グリーンスタジアム]

 初の全国出場まであと1勝。比叡山高イレブンの気持ちをより強く結びつけているのが、水曜日の朝練習だ。リーグ戦開幕前のある敗戦で危機感を抱き、FW仲川晟太郎主将(3年)の発案で3年生全員での朝練習を3月初頭からスタート。自主練や体脂肪測定で基準値に達していない選手の朝練習はあったが、「このままの練習じゃ絶対に足りない」(仲川)と選手主導でこの活動を始めた。

 何かのトレーニングメニューを徹底するよりも、Aチームと、Bチームにいる3年生が一緒にボールを蹴ることを重視し、作り出している一体感。仲川は「(今年は)いつもよりも本当に繋がりを感じています」。目立つような選手がいない中で、全員の力を結集し、塊になって対戦相手に立ち向かう。それが比叡山の勝負強さの原動力になっている。

 決勝点のFW野田陽大(3年)は仲間たちが走って、ボールを繋いでくれたことに感謝。ピッチ内で戦う選手のサポートだけでなく、試合前に部員全員で行う円陣、ハイタッチも活力になっているという。

「全員で試合前に円陣組んで全員で一人ひとりとハイタッチして行く。そういうところは先生も大事にしてくれているところであるし、自分たちも大事にしています。みんなからハイタッチやハグをもらっていたので力になるし、3年生だけでなくて1年も自分にハイタッチしてくれたり、仲は本当に良いかなと思います」(野田)。

 試合終了の瞬間、選手たちは喜びの感情を隠すこと無く表現。仲川は「自分たちが目指している全国は最初本当に難しくて、諦めるような時もあったんですけれども、このメンバーでできたからこそ、全員の勝利ということを実感しています。上手いヤツは近江よりも少なかったんですけれども、全員で掴み取った勝利というのが大きくて、自分たちの泥臭いサッカーを貫いてきて、それを実感して喜びが溢れました」。比叡山は走り負けない体力と一体感を持って決勝も戦い、歴史を塗り替える。

(取材・文 吉田太郎)
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