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[MOM3716]尚志GK布川陽大(2年)_“鬼門”のPK戦突破。交代出場GKが2本ストップ!

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PK戦1人目、尚志高GK布川陽大(2年)が右へ跳んでストップ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.29 選手権1回戦 尚志高 0-0(PK4-3)瀬戸内高 柏の葉]

“PKキーパー”が見事に役割を果たした。0-0の後半40分、尚志高は無失点を続けていたGK鮎澤太陽(2年)に代えてGK布川陽大(2年)を投入する。約3分間のアディショナルタイムでもスコアは動かず、PK戦へ突入。そこで布川が2本を止める大活躍を見せた。

 尚志にとってPK戦は“鬼門”になっていた。日本一が期待された8月のインターハイは、日章学園高(宮崎)に0-0からのPK戦で敗れて初戦敗退。12月のプレミアリーグプレーオフも勝てばプレミアリーグ復帰が決まるJFAアカデミー福島U-18(静岡)戦で0-0からのPK戦の末に敗れている。

 加えて、選手権も18年度、19年度大会で2年連続PK戦で敗退。今回のPK戦、仲村浩二監督は直視することができなかったという。だが、プレミアリーグプレーオフで期待に応えられなかった布川が、「今回こそ」の思いを表現した。1人目、瀬戸内高エースFW佐野竜眞(3年)のシュートを右へ跳んでビッグセーブ。味方の4人目が止められてしまったが、相手5人目・FW梁俊虎主将(3年)のシュートを左へ跳んで再びストップした。

 弾いたボールがゴール方向に向かったが、ギリギリでキャッチ。2つのビッグセーブによって尚志にとっての悪いイメージも払拭した。仲村監督は「練習中に一番止めていたGKだったので信用していました」と起用理由について説明し、「彼が『2本止めれば勝てる』と言っていた。2本止めてくれたので良かった」と微笑んでいた。

 布川は小学校4年生からGK。だが、以前は「PKは向いていなくて」、先発してもPK戦直前に交代する側だったという。それでも、コースへのPKを止める練習などを重ねて上達。キッカーの表情や助走を観察して予測の精度を高めてきた。そしてこの日、約半月前の敗戦にリベンジ。今大会、再びPK戦となっても自分が止める。

(取材・文 吉田太郎)

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