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[MOM3775]米子北FW小橋川海斗(2年)_沖縄時代から憧れの先輩FWのように。奮起のストライカーが2発!

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米子北高FW小橋川海斗は奮起の2発

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.13 中国高校新人大会準決勝 就実高 0-3 米子北高]

 危機感を持って臨んだストライカーが、走り、決めて米子北高を決勝へ導いた。FW小橋川海斗(2年=ヴィクサーレ沖縄FCジュニアユース出身)は前半6分、右中間の位置から先制点となる弾丸FK。「自分の持ち味がシュートのインパクトということで、今年FKを蹴らしてもらっていて、1回戦も同じような位置であったけれど上手く当たらなくて、今回はミートを心がけて入ったので良かったです」。強烈な一撃を狭いニアサイドへ突き刺し、勢いに乗った。

 さらに23分、左中間でDF裏へのボールに反応。「ファーストタッチでゴールに向かえなかったんですけれども、左足も自信があるので、思い切って振り抜きに行きました」。ファーストタッチがやや外側に流れたものの、左足を強振。対角に打ち込まれた一撃がゴール右を破り、2-0となった。

 ファインショット2発で2ゴールを挙げた小橋川は、後半も相手にとって怖い存在に。味方とのコンビネーションで決定機を演出し、苦しい時間帯でもスプリントを繰り返した。後半終了間際にはドリブルで持ち上がった野田徹生主将(2年)のスルーパスに反応。1対1をGKに止められてハットトリックとはならなかったが、それでも前線での競り合い、守備含めて貢献度は大きかった。

 小橋川は1年時の選手権全国大会で先発しているストライカー。準優勝した昨夏のインターハイで2試合の先発出場も経験している。だが、大きな期待に応えることができていない。今大会初戦も先発起用されたが、相手にとって怖いプレー、チームを助けるプレーができず、準々決勝はベンチスタート。そこでも結果を残すことができなかった。

 だが、準決勝では「今回スタメンのチャンスをもらったのでここでやってやろうと」いう気持ちを表現。課題とされてきた運動量の部分でも奮起し、最後までチームのために走り抜いた。中村真吾監督からの檄にも応える形で大活躍。このプレーを続けることができれば、チームを勝たせる存在になるはずだ。

 沖縄出身の小橋川は、ヴィクサーレ沖縄FCジュニアユースの先輩でもあるFW崎山友太(現駒澤大)に憧れて米子北へ進学した。「崎山友太さんが2個上の先輩がいるですけれども、1年生から選手権出てゴール決めたのを中3のときに見て、ずっと凄いなと思っていて憧れていました」。小橋川は1年時の選手権で崎山と2トップを組んで先発。「一人で何でも個の力でやってしまうところ、ドリブル、スピード、シュート、全部凄くて、あと寮からグラウンドが見えるんですけれども、一人で自主練とかめっちゃしていた」という先輩のようなプレーヤーになることが目標だ。

 小橋川が特に自信を持っているのがシュートだ。「そこは絶対に誰にも負けたくないと思いますし、自信もあります。自主練ではずっとシュートばっかりやっています。特に右だけは自分でいうのも何ですけれどもチームの中で一番だという絶対的な自信があります」。その「右」で残した結果。日本高校選抜にも選ばれた経歴を持つ先輩FW崎山のように、努力で結果を残し続け、チームの勝利に貢献し、自身の評価も高める。

(取材・文 吉田太郎)

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