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[2010Jの新星たち_10]MF藤田直之(福岡大→鳥栖)

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連載:2010Jの新星たち_10

[1.6 全日本大学選手権決勝 明治大2-1福岡大 国立]

 試合終了の笛が鳴ると、福岡大のMF藤田直之(4年)はピッチに倒れ込んだ。大学日本一をかけた決勝は1-2の惜敗。「あれだけチャンスをつくって決め切れないのは運もなかったと思うけど、高いレベルではそういうところで決め切れるかどうかが求められる。相手はそんなにチャンスがなかったけど、決め切るFWがいた。決定力がなかったのが敗因だと思う」とうなだれた。

 前半43分に先制点を許した直後のロスタイム、自らの右足ですかさず1点を返した。ゴールライン際を突破したMF市川稔(3年)のシュートのこぼれ球を蹴り込む同点弾。「あそこは外しちゃいけないし、決めるだけだった。自分でも0-1で折り返すと覚悟していたし、あの時間で追いつけたのはよかったんだけど…」

 後半立て続けに訪れたセットプレーのチャンスも相手GKに阻まれるなど1点を奪えない。後半ロスタイムには絶好の位置でFKを迎えたが、「思ったように足に当たらなかった。ちょっと慎重になりすぎた」と右足のキックは壁に当たった。

 夏の総理大臣杯に続く2冠はならなかった。それでも、この1年間の成績に満足できないはずはない。「夏冬連覇なら最高の1年だったけど、甘くはなかった。でも関東、関西以外の地方の大学で初めて総理大臣杯に優勝して、新しい歴史をつくれたと思う」と胸を張った。

 卒業後はサガン鳥栖への入団が内定している。始動は17日だが、「5日前ぐらいからメディカルチェックが始まるし、寮にも入る」と休んでいる暇はない。次なる戦いの舞台はすぐにやってくる。

 今大会は中央大との準々決勝でも2得点を決め、4試合で3得点を記録。「中盤の仕事をしつつ、点も取るのが自分の強みだし、そこは継続していきたい」と、得点力のあるMFとしてプロでの飛躍を目指している。

 福岡大では4-2-3-1のトップ下を務めたが、鳥栖はボックス型の4-4-2。「ダブルボランチの攻撃的なボランチでプレーすることが多いと思う。今より守備力も上げていかないといけないし、フィジカルも向上させないといけない。でも、その中でも点を取る力はもっと付けていきたい」。あくまでもこだわりはゴール。「1年目から試合に出ることを狙っている。ポジションがかぶる選手も分かっている。キャンプから自分をアピールして、試合に出られるようにしたい」と決意を語っていた。

(取材・文 西山紘平)

特設:大学選手権09

※この連載は2010年にJクラブへ入団することが内定している選手たちを不定期に紹介していく予定です。

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