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大宮・塚本が癌(がん)を告白。手術へ・・・「頭が真っ白になって、夢じゃないかって」

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 大宮アルディージャは27日、DF塚本泰史が右大腿骨骨肉腫の病気にかかっていることを発表した。悪性の腫瘍(しゅよう)で、右足にいわゆる癌(がん)が発見された。3月中旬に手術を行うが、サッカーを続けることは難しいという。

 クラブの公式HPによると、チームドクターの池田浩夫氏は「塚本選手の診断は『右大腿骨骨肉腫』です。骨肉腫というのは骨にできる癌(がん)です。骨肉腫も、いろいろなタイプがあり、悪性度の高いものから、低いものまであります。塚本選手の場合は悪性度の低い骨肉腫という診断を受けました。しかし、悪性度が低いといっても癌であることに変わりはなく、治療(手術)しないと生命にも影響を及ぼす病気です」と、深刻な病気であることを明かしている。

 今後は、骨にある腫瘍の切除(つまり骨の切除)を行い、その部分を人工骨で補う手術を3月中に行う見通し。その後はリハビリを行うが、サッカーを続けることは難しい状況にあるという。

 塚本はこの日、さいたま市内で記者会見を実施。病気について公表し、今の思いを激白した。

 「まず始めに、ファン・サポーターのみなさま、クラブ関係者のみなさま、メディアのみなさまにご心配やご迷惑をおかけしたことをお詫びしたいと思います。

 今年初めのメディカルチェックで、ヒザが痛いことを伝え、MRI(磁気共鳴画像)検査を受けたところ、右の大腿骨の中に黒く塗りつぶされたようなものが見つかり、すぐに都内の病院を紹介してもらって検査を受けました。

 1月14日に入院、翌1月15日に生検手術(病理診断のための手術)を受けて検査したところ、骨肉腫と診断されました。

 医師の話によると、この病気を治すには、悪い部分の骨を切り取って、人工骨にするしか方法はないと言われ、サッカーはもうできないと言われました。それを言われた時には、頭が真っ白になって、夢じゃないかって本当に信じられない気持ちでいっぱいでした。

 でも、そこで立ち止まっているわけにはいかなかったので、その手術をしなくてもいい方法がどこかにあるんじゃないかと思い、1月、2月中、全国の病院を回ったんですが、どこの病院も同じような診断で、命にかかわる問題だから、人工骨にするのが最善の方法ではないかと言われました。

 この病気になって、人の優しさ、人のあたたかさを改めて知ることができました。家族も、忙しい中、いつも自分に付き添ってくれて、兄や姉も『俺たちがついているから大丈夫だ』って励ましてくれて...チームの関係者の人たちも本当に心配していただき、親身になって考えていただき、本当に感謝しています。 人は独りでは生きていけない、みんなに支えられて生きているんだと、強く思いました。

 これから手術をして、辛い闘病生活、リハビリが待っていると思いますが、同じ病気の人たちや、同じ癌とかと闘う人たちに少しでも勇気を与えられるようにして、チームのみんなも、遠くで頑張っている仲間がいることを忘れないでほしいです。逆にみんなの頑張っている姿や、最高の笑顔を見せてもらって、自分に勇気を与えてもらいたいと思います」と、涙声で語った。

 クラブの公式HPによると、塚本はサポーターに向けて、「大宮アルディージャのファン・サポーターのみなさま。心配をおかけしておりましたが、本日会見を開き全てをお話しさせて頂きました。会見でお話しした通り、これからも選手と共に闘っていきたいと思いますので、どうか心配しないでください。そしてこれからも共に戦いましょう!!」と呼びかけている。

 クラブの渡邉誠吾代表は「『塚本選手はチームの一員です』。これから病魔と闘う塚本選手はチームとともに闘い、チームは背番号2・塚本泰史と今シーズンを闘います。長い葛藤の末、手術という決断を下した塚本選手に対して、私はサッカーの神様は、塚本選手の希望する道へ導いてくれると確信してますし、我々も塚本選手が望む道へ進めるよう、これからも全力でサポートしていきます」と話し、今季は選手登録を維持し、サッカーができる体になることを信じて、サポートするとしている。

<写真>09年4月12日のG大阪戦後、サポーターと勝利を喜びあうDF塚本泰史

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