beacon

J2での経験を確固たる自信へ、福岡が5年ぶりのJ1に挑む

このエントリーをはてなブックマークに追加

「昨年J2で戦って身についたものを確固たる自信にするために、勝ちという結果が残したい」。今季、主将を任されたアビスパ福岡のMF中町公祐は淡々と言い切った。 

 昇格を決めた昨季からは、核だった選手が去った。J1昇格に大きく貢献し、サポーターにも“ジャンボ”という名で愛されていたFW大久保哲哉が契約更新に至らず、山形へ。チーム最多の15得点を決めたMF永里源気が甲府へ移籍。攻撃面で大きな戦力を失った。しかし、ここまでの練習試合では新加入組のFW重松健太郎、MF成岡翔、DF小原章吾らがいずれも得点を挙げており、今季の活躍に期待はできる。不安視されていた攻撃面で新戦力の活躍は、これ以上ない明るい材料となる。
 
 もちろん昨季福岡でJ2を戦った選手たちも奮闘をみせている。「開幕へ向けていい準備はできています。新加入の選手に元からいた選手が刺激を受けて、競争意識がより一層高まって、いい形でシ-ズンを迎えられます」と中町。慶應義塾大から福岡へ入団して、わずか2年目の中町が主将を任されたのも、チームとして若返りを計りながら、躍進をめざすというフロントの強い意思と取れそうだ。入団1年目ながら昨季はリーグ戦35試合に出場。10得点を挙げて、主力としてプレーした中町にかかる期待は大きい。既存の戦力と各チームから移籍してきた選手たちの融合が上手くいけば、昇格1年目のシーズンながら躍進も夢ではない。

 99年シーズンから01年まではJ1で戦っていた福岡だったが、その後はJ1に定着することはできなかった。今回のJ1挑戦は06年以来、実に5年ぶりのことになる。「J1は個々のレベルも高いし、厳しい戦いになると思います。それでも、もちろん勝利にこだわってやっていきたい」(中町)。まずはJ1に定着するためにも、チームとして成長を遂げるシーズンにしたい。

(取材・文 片岡涼)

TOP