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原発事故の余波でウーゴ退団の山形、小林監督は補強を明言

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[4.10 練習試合 浦和3-0山形 埼玉]

 モンテディオ山形小林伸二監督は練習試合後、退団が発表されたDFウーゴについて状況を説明した。東日本大震災後、ブラジルに一時帰国していたウーゴは練習再開となる今月1日に合わせて再来日する予定だったが、来日しないまま、この日退団が決まった。

「ブラジルにいる奥さんのお腹に2人目の子供がいるということで、彼は奥さんを日本に連れてきて、日本で子供を生ませたいと思っていたが、こういう状況ではたぶん奥さんは日本に来ないだろう。そういう理由もあるし、もう一つはブラジルは地震がない国。そういうことも含めて難しくなったのかなと思う」

 震災による不安、福島第1原発事故による放射能被害への不安が退団につながった。「ひょっとしたらとは思っていた。1回帰ったら難しくなるかなと。海外では日本の情報がタイムリーに大きなことだけが報道される。サッカー選手は体が資本。何かあったら稼げなくなるわけだし、分からないわけじゃない」と理解を示した。

 ウーゴは今季、ルーマニアのCFRクルージュから加入。「経験もあるし、ボールを持つレベルも高かったけど、守備で日本人に付いていけるのか不安もあった。アジリティーが遅かったので」と、3月5日の開幕戦もベンチ外だった。

 誤算には違いないが、指揮官はすぐに気持ちを切り替えた。「どのくらい予算があるのか分からないけど、いくらかの空きはできたはず。どこに選手を入れるか考えたい。ブラジル人選手は高いので、国内の選手かな。日本人も試合に出て経験を積めば伸びる。それもいいかなと思っている」と、他クラブで出場機会に恵まれていない日本人選手の獲得に動くことを明言した。

(取材・文 西山紘平)

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