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「そろそろ爆発しないとダメ」高校選抜FW菊池が期待応える1ゴール

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[3.29 練習試合 日本高校選抜1-3早稲田大]

 日本高校選抜の唯一のゴールは「爆発」を期待されているストライカーが奪った。0-2の2本目10分だ。高校選抜はCB新井一耀(清水商→順天堂大)のくさびのパスをMF後藤寛太(市立西宮→C大阪)がゴールを背にしたまま胸で落とす。これを受けたFW菊池将太(浦和東→駒澤大)が「寛太が胸で落としてくれた。あの場面はフリーだったので思い切って左足を振りぬいて。入ってよかったです」と左足でゴール右隅へねじ込んだ。

 全国高校選手権では那覇西(沖縄)との1回戦でいきなりハットトリックを達成。続く大分(大分)との2回戦で敗退したものの、2試合で4得点をたたき出したFWは高校選抜入りを果たした。だが、U-18Jリーグ選抜戦(3月3日、0-3)、静岡県高校選抜戦(3月11日、3-4)ではいずれもノーゴール。特に静岡選抜戦では3-3の同点の場面でPKキッカーを務めながら失敗し、2点ビハインドを追いついたチームの勢いを消してしまっていた。

 それだけに「高校選抜ではあまり点を取っていなかった。監督からも『そろそろオマエが爆発しないとダメだぞ』と言われていた」という。この日はその期待にゴールで応えたが、本人は「他にもチャンスがあったので、そのチャンスで決められるようにならないと海外で勝てない」と首を振る。得点後の3本目にはPAでシュートチャンスがありながらパスを選択。ベンチからは「オマエはパスいらねぇ!」と厳しい声が飛んでいた。だからこそ「ゴールを求められていると思うので、もっと打っていこうかなと思っています」と誓った菊池は欧州遠征でもゴールでチームに貢献するつもりだ。

 ヘディングの強さは高校トップレベルで、競り合いでもほとんど負けることはない。この日も名門・早稲田大の選手たちと十分に渡り合っていたが、本人は「体はあまり強いと思わないです。筋肉もないですし」と苦笑い。ただボールへの入り方、身体の当て方に優れるFWは世界の屈強なDFからボールを守り、ゴールを奪う意気込みだ。「日本でやっているように受けるタイミングだったり抜けるタイミングも試したい。あとは相手がフィジカルも強いと思うのでそれに耐えられるように。全部いいところを出せるかどうか分からないけれど、全部挑戦したい」。欧州では自分の武器で、ゴールで「爆発」する。

(取材・文 吉田太郎)

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