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決勝点の鹿島FWファブリシオ、19個目のタイトルを置き土産に退団か

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決勝点を決めた鹿島のFWファブリシオ

 ブラジル人助っ人が最後に大仕事やってのけた。鹿島アントラーズ川崎フロンターレの天皇杯決勝は、1-1のまま延長戦に突入。途中出場していたFWファブリシオが延長前半4分に豪快な右足シュートをゴールネットに突き刺し、これが決勝点となった。

 母国リーグのボタフォゴや、中国の杭州緑城、ポルトガルのポルティモネンセでプレーした経験を持つファブリシオは、昨年7月に期限付き移籍で鹿島に加入。J1リーグ8試合に出場したが、得点はわずか1得点にとどまっていた。

 慣れない日本で苦しいシーズンとなったが、サポーターの応援が背中を押した。この日、最後の交代カードとして後半43分にピッチに入ると、延長前半4分にDF西大伍がPA内で粘ってキープし、こぼれたボールを右足でゴール右に突き刺し、決勝点。鹿島を6年ぶり5回目の天皇杯制覇に導いた。

「本当に日本に慣れるのにすごく難しい部分がありました。チームメイト、スタッフ、フロント、そしてどんなときでも忘れず応援してくれた素晴らしいサポーターに感謝したいと思います」

 試合後のテレビインタビューで感謝の言葉を述べたファブリシオは、クラブから具体的な期限付き移籍期間や退団の正式発表はまだないが、「チームの一員として僕の最後の試合を、しっかりと手助けできるようにそれだけを考えてやろうと思っていました。それが得点という形につながってうれしく思っています」。19個目のタイトルを置き土産にチームを去る可能性が高いファブリシオ。仮にそうなったとしてもサポーターが彼のことを忘れることはないだろう。


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