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[選手権予選]0-2から大逆転!佐賀商が鳥栖入りFW平擁する佐賀東下し9年ぶりV:佐賀

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[11.10 全国高校選手権佐賀県大会決勝 佐賀東2-3佐賀商 ベアスタ]

 第91回全国高校サッカー選手権大会の佐賀県大会は10日にベストアメニティスタジアムで決勝を行い、佐賀商が延長戦の末に3-2の逆転で前回優勝の佐賀東を下し、9年ぶり13回目の全国大会出場を決めた。

 久しぶりの全国大会になるが、佐賀商は県大会で最多19回の優勝を誇る地元の名門。就任5年目の相良利朗監督は時折、目に涙を浮かべながら「とにかく嬉しい。選手の頑張りに感謝したい。足をつらせても攻め続けろと言ってきたことを最後までやってくれた」と喜び、夢舞台に向けて「全国では、彼らを小学校や中学校時代に育ててくれた先生たちに恩返しをできるように、一つでも多く勝利を収めたい」と古豪復活アピールを誓った。

 前半は佐賀東のペースで進んだ。サガン鳥栖入団内定のFW平秀斗が前線で相手の守備をかく乱。対する佐賀商は、CB野方智文を前線で先発させる奇策で臨んだが失敗。野方の抜けたDFラインが安定せず、右サイドを再三にわたって攻略された。

 佐賀東は19分、左MF長薗真之輔のスルーパスで抜け出した左DF高木洋彰が相手GKの股間を射抜くシュートを決めて先制。そのままボールポゼッションを続けて試合の主導権を握り、ゲームを進めた。後半7分にはボランチ東悠太の浮き球のパスで相手最終ラインの背後に抜けたMF古川雅人が追加点をマークした。

 しかし、その直後に佐賀商は左からのクロスをFW江口裕之がヘディングで決めて1点を返し、浮足立った佐賀東の陣内へ次々と攻め込んだ。29分にはFKをゴール前に蹴り込み、相手GKのキャッチミスを逃さずに江口が左足で押し込み、同点とした。

 2-2で迎えた延長戦も佐賀商の勢いは止まらなかった。江口のポストプレーを起点にシュートチャンスを演出。延長後半3分、相手ゴール前でのバウンドボールを2年生FW山崎一帆が相手と身体を入れ替わるように制してハーフボレーでプッシュ。この一発が決勝点となった。

 試合終了のホイッスルが鳴ると、佐賀商はベンチも一丸となって抱き合い、勝利の味を噛みしめた。今季、新人戦と高校総体予選はともに準決勝で佐賀東に1-2で敗れた。県内3冠を狙う佐賀東をついに撃破した佐賀商の野方主将は「いつもは、リードされると相手にボールを支配されて勝てなくなってしまっていた。でも今日は最初の失点まではダメだったけど、前半を0-1で終わっても自分たちのペースで戦えていると思ったので、2点目を取られたときも全然負ける気はしなかった。相手は足が止まり始めていたし、僕たちの方が走れているとも感じていた」と激戦の中で感じていた手ごたえを話し「全国は、今の仲間とできる最後の大会。楽しみながら、佐賀県代表として悔いのない戦いをしたい」と切符を勝ち取った全国大会に向けて力を込めた。

(取材・文 平野貴也)
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