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[選手権]湘南内定の四中工FW田村翔、鮮烈FKも「あそこで入らないのが今の自分の力」

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[1.2 全国高校選手権2回戦 桐光学園4-2四日市中央工 三ツ沢]

「あそこで入らないのが今の自分の力なので、しっかり受け止めて、今後に活かせるようにやっていきたいと思います」。四日市中央工(三重)のダブルエースの一角、U-17日本代表FW田村翔太(3年、湘南ベルマーレ内定)は今大会唯一放ったシュート、後半アディショナルタイムの直接FKについて、悔しさを滲ませながら振り返った。

 前回大会は得点ランキング2位の6得点。得点王を獲得したFW浅野拓磨との2トップで計13得点を叩きだし、全国準Vと名門復活の原動力になった。今年は武器であるスピードと技術に加えて、相手のギャップを突く動きや前線での動きの変化などオフ・ザ・ボールの動きに磨きをかけてきた。そして掲げていた「1試合1得点」の目標。成長した姿を全国で披露するつもりだったが、この日は「ディフェンスラインが低くて、ブロックもしっかりつくって、ボクらが入れたところにみんなが連動して取りに来ていた。それで自分らのプレーができなくなった」という桐光学園の好守の前になかなかボールを受けることができない。

 またボールを持った際も周囲を活かそうとし過ぎた面があり、「もっと自分でやれば、という後悔があります」。積極性も持ち味である田村が後半40分が経過するまでシュートゼロ。2-4のアディショナルタイムにゴール正面から放った右足FKはやや距離があったものの、弾丸ライナーでゴールを捉えた。だが反応した桐光学園GK長津大裕に阻まれて無得点で試合終了。個人的な目標、そしてチームの日本一も果たすことができなかった。
 
 選手権は自身を大きく成長させてくれた舞台だった。「高校生の中の一番レベルが高くて注目度も一番高い大会。ボクなんか、去年何試合かやっただけで人生変わったと思うし、そういうところで選手権は人生が変わるというか、高校生全員が目標にしている大会だと思うし、その中でやっていけた3年間は今後にもつながってくると思うし、この経験を活かしてまたプロの世界でやっていきたいと思います」と田村翔。前回大会の大活躍で自信をつけた田村翔は年代別代表にも選出され、湘南入りも勝ち取った。高校生活最後の試合は悔いの残るものとなったが、無名だった1年前から選手権で大きな飛躍を遂げたFWは自信を持ってプロの世界に挑戦する。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 吉田太郎)

【特設】高校選手権2012

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