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[選手権予選]米子北が鳥取県予選初の5連覇達成!

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[11.8 全国高校選手権鳥取県予選決勝 米子北高 2-0 米子東高 とりぎんバードスタジアム]

 第93回全国高校サッカー選手権鳥取県予選決勝が8日に行われ、米子北高が2-0で米子東高に勝利。5年連続10回目の全国大会出場を決めた。

 県史上初の5年連続出場。それでも勝利の瞬間、米子北はピッチ上の選手たちも、城市徳之監督をはじめとするベンチの面々も、派手に喜ぶことはなかった。7年連続で出場したインターハイに続き、今予選も絶対の本命とみられていただけに、順当な結果に、チームは歓喜よりもむしろ、安堵に包まれていた。

 とはいえ、城市監督が試合後に「厳しい戦いになると思っていた」と振り返ったように、前半は米子東の粘り強い守備が光った。昨年11月の新人戦決勝、今年5月の全国高校総体予選決勝でも対戦し、ともに敗れたものの、前半は0-0で終えている米子東は、この日もキャプテンのDF尾沢大地(3年)を軸に、開始直後からの劣勢を懸命に耐える。25分に米子北MF山崎敏也(3年)のセンタリングから、キャプテンのMF君垣隆義(3年)がダイビングヘッドで狙った決定機は、GK大森寛和(3年)がファインセーブで防いだ。

 猛攻をしのいだ米子東は32分、この日最大の決定機を迎える。前線で相手と競り合ったMF亀山大樹(2年)が、約25メートルのミドルシュート。ドライブがかかったボールはゴールマウスを捉えたが、米子北GK中原創太(1年)がパンチングで逃れ、こぼれ球もクロスバーに当たって決まらなかった。

 その後、前半終了間際には米子北が、CKのこぼれ球をつなぎ、最後はFW定本佳樹(3年)が至近距離から狙ったものの、シュートは左ポストに当たって外れ、直後に前半が終了。過去2回の対戦と同じく、0-0で後半へと折り返した。

 迎えた後半、米子東は立ち上がりにチャンスを作る。開始30秒、こぼれ球を拾ったMF山本涼太(2年)が左サイドをドリブルで破ってシュート。これは米子北GK中原に防がれたものの、この試合初めてのCKを得た。山本が蹴るリスタートのキックに、尾沢やMF岩部昂樹(2年)が合わせるのは、米子東の得点パターン。山本涼太の父、山本康彦監督も「セットプレーで何とか取りたかった」と振り返った場面だったが、これは米子北の堅い守りに防がれる。

 そして、直後の2分に米子北が均衡を破った。山崎のスルーパスから、オフサイドぎりぎりで抜け出した定本が左サイドを突破。いったん防がれたが波状攻撃を仕掛けると、最後はゴール前のこぼれ球に山﨑が詰めてシュート。これがGKと左ポストに当たり、米子東守備陣がクリアし切れなかったボールを、詰めていたMF松本浩輝(3年)が押し込んだ。

 これで勢いづいた米子北は、後半開始からSBの山室昂輝(1年)をサイドハーフに上げ、逆にサイドハーフの君垣をサイドバックに下げた左サイドを中心に、前半以上にチャンスを量産。運動量が落ちた米子東を押し込むと、16分に2点目を奪う。左サイドからのパスを受けた定本が、ゴール左寄りから左足を振り抜き、逆サイドのネットに突き刺した。

 その後、米子東は山本やFW奥野健也(3年)を中心に、カウンターで追撃の1点を狙ったが、常に数的優位を保って対応する米子北の守備網を破れず。米子北も再三のチャンスを決められなかったものの、そのまま2-0で勝利を収めた。

 米子北は、城市監督の「もう少し精度が高ければ、得点シーンがたくさんあった」とのコメント通り、この日はフィニッシュの精度に課題を残す内容。それでも予選4試合で21得点無失点と、全体的には危なげのない内容で予選突破を果たした。

 本大会に向けては、攻撃の精度向上に加え、「これまでは県内の戦い方を練習していて、ポゼッションしながら、いかにボールを動かし、サイドチェンジしてクロスを上げるか、という形に徹した練習をしていた。全国では逆に、五分五分の試合や、ボールを持てない時間帯が出てくると思うので、守備の強化をしていかなければいけない」と語った城市監督。過去に出場した9大会の最高成績は、11年度と12年度の1回戦突破。それ以上の成績を残すべく、本大会までにさらなるチーム力アップを目指す。

[写真]優勝を喜ぶ米子北イレブン

(取材・文 石倉利英)
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