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1点を守り抜いた近江!! 比叡山をシュートゼロに抑え込み、2年ぶりの頂点まであと一つ

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1点を守り抜いた近江高が決勝の舞台へ

[11.5 選手権滋賀県予選準決勝 比叡山高 0-1 近江高 会場非公表]

 5日、2022年度滋賀県秋季総合体育大会兼全国高校サッカー選手権大会滋賀県予選の準決勝が行われた。第2試合では、比叡山高近江高が対戦。近江が1-0で比叡山を退け、草津東が待ち受ける決勝戦へと駒を進めた。

 7分、近江はDF金山耀太(2年)からのボールを受けたMF川島優人(3年)のゴールで先制。このまま勢いづくかと思われたが、次のゴールがなかなか奪えない。前半中に枠を捉えたシュートが2本あったが、1つは相手GK正面、もう1つはネットを揺らすもオフサイド。1-0のまま前半を折り返す。

 後半、近江は立ち上がりから短いパスを繋いでゴール前に迫るも、「最後の(パスやシュートの)質をまだ高めていかなければいけない」とキャプテンのDF岡田涼吾(3年)が振り返った通り、ラストパスが上手く合わないシーンもあり、波状攻撃を仕掛けるものの固く閉ざした比叡山のゴールを再びこじ開けることができぬまま試合を終えた。

 試合後、近江の前田高孝監督は「選手たちは一生懸命やってはくれていた。攻撃の部分は上手くいかなかったが、守備は良かった」と語った通り、相手に打たれたシュートはゼロ。ピンチを作ることなくゲームを終えている。

 近江は今季、プリンスリーグ関西1部で戦い、現在は4位につけている。夏明けからは、これまで前田監督やチームスタッフが長い時間をかけてやっていた相手チームの分析を選手たちに少しずつ受け渡してきた。その背景には、前田監督の「『近江のサッカーをやりたい』と来てくれた選手も多い。だったら、それを信じてやってもらいたいし、自分たちで生き生きと主体的にやれる集団になってほしい」という思いがある。「勝負なので勝ち負けは必ずあるけれど、最後はみんなが一つの方向を向いた強さを持って、自分たち自身の力を最大限引き出せる姿にしてやりたい」からこそ、主導権を選手たちに持たせた。

 プリンスリーグでは、「前期は特に先制されることが多く、厳しい状況の中で戦うことがほとんどだった。精神的に焦ることなくやる、というのはリーグ戦で培ってこられた」と岡田は言う。準決勝では思うように得点することができなかったが、焦れることなく何度もゴールに向かうたくましさは十分に示すことができた。追加点を奪うことに気を取られて、守備を緩めることもなかった。あとは、相手ゴールをこじ開けるのみ。「最後は、お世話になった人たちへの感謝の気持ちを結果で伝えられるようにしたい」(岡田)。

(取材・文 前田カオリ)
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