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[MOM4079]尚志MF吉満迅(3年)_決勝の舞台で真骨頂発揮!! 欠かせない存在となった“黒子”がヒーローに

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1ゴール1アシストを記録した尚志高MF吉満迅(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[11.6 選手権福島県予選決勝 尚志高 4-1 学法石川 西部サッカー場]

「段々と欠かせない選手になってきた」

 尚志高・仲村浩二監督がそんな賛辞を贈る選手がいる。自ら「黒子が好きなんです。憧れてるのはカンテ選手」と語るMF吉満迅(3年)は、しかしこの決勝において間違いなくヒーローだった。

 決勝点となった2点目は鮮やかな抜け出しから、飛び出してきたGKをしっかり視野に入れたタッチでかわし、最後は角度のない位置から丁寧なシュートを沈める見事なもの。ただ、より吉満らしさを感じさせたのは3点目のアシストなのかもしれない。

 学法石川のサイド後方でのボール回しに対し、吉満は数的優位の状況ではなかったが、ボールを奪うイメージを捨てていなかった。「相手のパスがゆるくなったので」(吉満)というタイミングを見逃さずに動き出してインターセプトに成功すると、そのままドリブル突破。左サイドを突き破り、見事なアシストを決めてみせた。

「あの動きができる選手はなかなかいない」

 そう仲村監督が感嘆したように、この機敏な守備こそ吉満の真骨頂。幼少期から「大好きで」磨いてきた得意のドリブルと合わせることで、インターセプトからの速攻を単騎で実現できるのも強みであり、このアシストに繋がった一連のプレーはそれがよく出たシーンだった。

 不動のレギュラーだったわけではない。ボランチからサイドハーフにコンバートされたのは今年初めのこと。最初は戸惑いもあったというが、中学時代を過ごしたフェルボール愛知でも、サイドバックからFWまでこなしてきた経験があり、戦術的な引き出しは元よりあった。しばらくすると「ボランチよりやりやすい」と感じるようになったと言う。

 一学年下の同ポジションには「本当に良い選手」と吉満が素直に認める注目のMF安齋悠人(2年)もおり、激しいポジション争いを演じてきた。「自分がやれるところまで全開でやって、後は安斎に託せばいいと思っている。アイツがいるから安心して最初から飛ばせます」と言う。「自分は黒子でいいんで」とも付け加える。

 ただ、この決勝戦がそうだったように、あるいはプリンスリーグ東北でベガルタ仙台ユースを5-0と圧倒した試合がそうだったように、吉満が黒子ではなく主役となる試合も明らかに増えてきた。

「シュートが入るようになってきて、自信は付いてきた」と自覚もあるが、「でも、自分はまず守備を頑張りたい」と笑って言う。

「自分はあまり『欲しい』と言ってもらえることがなかった選手なんですけど、尚志からそう言ってもらえたときは本当に嬉しかった。ここを選んで本当に良かった」

 そう語る吉満にとって選手権は3年間の集大成であり、恩返しの場。黒子になって献身的にチームを支えつつ、「たまには」結果も出しにいく。地道に積み上げて欠かせない存在となった背番号6は、全国でもキーマンとなりそうだ。
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(取材・文 川端暁彦)

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