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[選手権]スタメン8人が地元・遠野中学出身!遠野が夏に続く全国出場へあと1勝:岩手

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遠野高が3年ぶり全国出場へ王手

[10.29 高校選手権岩手県予選準決勝 遠野3-0盛岡中央 いわぎんA]

 第102回全国高校サッカー選手権岩手県大会の準決勝が29日に行われ、遠野高盛岡中央高に3-0で勝利し、3年ぶりとなる決勝に進出した。3年ぶりの本戦出場をかけた5日の決勝では、専修大北上高と対戦する。

 ロングボールを多用してシンプルに攻める盛岡中央のサッカーに苦戦した遠野だったが、チャンスを確実にものにした。県リーグ1部では1勝1敗だった難敵を相手の勝利に、佐藤邦祥監督も「厳しいゲームになるんだろうなと思っていたけど、粘り強く戦えたと思います」とイレブンを称えていた。

 佐藤監督は先制点を取れたことが大きかったとも振り返った。前半26分、MF昆野翔太(3年)が蹴った右CKがゴール前で浮き球となってこぼれると、MF馬場大瀬(2年)がミドルレンジからダイレクトで蹴り込む。ややミスキックとなってしまうが、これがMF菊池遥大(3年)に渡り、先制点が生まれた。

 カギと踏んでいたセットプレーからの得点だったことも、チームを落ち着かせた。ハーフタイムをはさんでさらにパスが回りだすと、後半15分、またも馬場とのコンビネーションからボールを受けた菊池遥がエリア内でコントロール。この日2点目を流し込んで、追加点が決まる。

 試合終盤になると、ゴール裏から聞こえる大声援に乗せられて、盛岡中央が怒涛の攻めをみせるが、後半24分にMF金澤壮馬(3年)が浮き球を合わせたシュートもGK浅沼英志(3年)のビッグセーブに防がれ、得点にはならない。逆にアディショナルタイム5分に遠野は、ゴール前のこぼれ球に詰めた馬場がダメ押しとなる得点を決めて、勝利を決定的にした。

 遠野高は全国選手権出場29回を誇る古豪。サッカーが盛んな地域性もあって、公立校だが“中高一貫”の強化が定着している。今年は特にその傾向が強く、この日のスタメンも11人中8人が遠野中出身。そのほか3人も中体連出身で、団結心は人一倍強いという。

 さらにメンバーのほとんどが下級生のころから試合に出ていたことで、完成度の高さにも自信を持っている。今夏のインターハイでは1回戦で市立船橋高に敗れたが、大会前に出場した東北大会では青森山田高を破って優勝。県1部を優勝して12月に行われるプリンスリーグ参入戦への出場を決めるなど、確かな実力も証明している。

 インターハイ以降は、全国レベルの相手にも負けない個を鍛えるとともに、全国大会で堂々とプレーできるようにメンタル面の強化に力を入れてきたという。その成果を確かめるためにも、11月5日の岩手県大会決勝は、必ず勝利を手にしたい一戦になる。新人戦では敗れ、インターハイ予選では勝利した専大北上との今チーム3度目の決勝決戦。怪我でベンチスタートとなっている主将DF畠山哉人(3年)も「絶対に勝ちたいと思います」と力強く意気込んだ。

(取材・文 児玉幸洋)
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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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