beacon

5度目にして待望の…環太平洋大がインカレ初得点で初白星!仙台大との延長接戦を再逆転で制す

このエントリーをはてなブックマークに追加

IPU・環太平洋大がインカレで初得点・初勝利を決めた

[12.13 全日本大学選手権1回戦 仙台大 2-3(延長) IPU・環太平洋大 上柚木公園]

 第66回全日本大学サッカー選手権(インカレ)が開幕し、13日に1回戦が行われた。上柚木公園陸上競技場(東京)の第1試合では仙台大(東北1)とIPU・環太平洋大(中国1)が対戦。延長戦までもつれた接戦は、IPU・環太平洋大が3-2で勝利した。

 5年連続5度目の出場で、環太平洋大が待望のインカレ初得点を決めた。仙台大ペースで始まった試合は前半16分、MF山田満夫(4年=松本)の精度高い浮き球パスをFW岩渕弘人(2年=遠野高)がボレーで合わせるが、クロスバーを叩きつける。序盤から猛攻を浴びた環太平洋大だが、前半25分に待望の先制点。左CKから中央で混戦となったところを、DF安田拓馬(4年=立正大淞南高)が頭で押し込んだ。

 セットプレーで先制した環太平洋大に仙台大が襲い掛かる。前半27分には岩渕、FW宮澤弘(4年=柏U-18)と経由したボールをMF嵯峨理久(1年=青森山田高)が左足シュートも得点ならず。仙台大は右サイドの嵯峨を起点に、岩渕、宮澤、FW松尾佑介(2年=浦和ユース)がゴールに迫ったが、前半を0-1で折り返した。

 仙台大はハーフタイムに岩渕に代えて、昨冬の全国高校選手権得点王のFW鳴海彰人(1年=青森山田高)を投入。すると後半4分、MF薄葉迅人(1年=横浜FMユース)のパスを左サイドで受けたMF林洋毅(4年=前橋育英高)がPA内にクロスを上げ、ファーサイドの宮澤が頭で押し込んで1-1の同点とした。後半13分には環太平洋大の安田のPA内でのファウルにより、仙台大がPKを獲得。宮澤がこの試合2点目となるPKをゴール左に決め、2-1と逆転する。

「パワフルな攻撃に圧倒された」(桂秀樹監督)という環太平洋大は、後半17分にMF佐々木敦河(1年=明徳義塾高)、同27分にはFW柴本慎也(4年=興國高)、同29分にはFW森園貴仁(2年=筑紫台高)を出場させ、点の取り合いに挑む。交代直後にはPA内へ突破を見せた柴本が倒されてPKを獲得。柴本自らがゴール左に決めて2-2と再び同点にした。

 桂監督は「今日の試合は本当はずっとボールを持って主導権を持っていこうと思ったんだけど。全然余裕がなくて点の取り合いになった。蹴り合いはやったことがないからどうなるか」と迷いの中の決断だったが、交代策は功を奏して試合は振り出しに戻った。

 仙台大は後半終了間際にFW本吉佑多(2年=仙台ユース)を投入して勝負を決めにかかる。しかし、後半アディショナルタイムには本吉のポストプレーからDF川上盛司(4年=鹿島ユース)が強烈なミドルでゴールを狙うも、GK宮野光雄(3年=瀬戸内高)がスーパーセーブで守り切り、同点のまま延長戦突入となった。

 延長に入って仙台大が猛攻を仕掛けるが、「彼はいつも冷静」と桂監督も信頼を寄せる宮野がスーパーセーブを連発。延長前半4分、嵯峨のクロスを宮澤が合わせるが宮野が阻み、延長後半3分には本吉が豪快なボレーを放つも再び宮野がゴールを守った。すると、好守備で勢いを味方にした環太平洋大は同8分、森園からパスを受けた柴本がPA左から右足を一閃。カウンターから決勝弾を決め、3-2と再逆転に成功した。

 試合はそのまま3-2で終了。過去4年間を無得点の初戦敗退で終えていた環太平洋大が劇的な初勝利を収め、2回戦進出を決めた。桂監督は「相手のミスに助けられた部分もあるし、交代で入った柴本が得点につなげたり、ターゲットになったりと奮闘してくれた。そういうところで少しずつチャンスが回ってきたかな」と振り返った。

 また桂監督は4年間のインカレ初戦を追懐。「1年目で筑波大と対戦したときはシュート本数が20対1くらいの差で。2年目の関西学院大とはちょっと差が詰まって、3年目の大阪体育大とはもっと差は詰まっていて。昨年の静岡産業大とは前半を0-0で折り返せた。ちょっとずつ右肩上がりにここまできました」と思いを込めた。4年分の勢いに乗って、次なる目標は2回戦突破。強豪・流通経済大との対戦を前に、桂監督は「次も当然勝つつもりで」と強気のコメントを残した。

(取材・文 石川祐介)
●第66回全日本大学選手権(インカレ)特集

TOP