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大体大DF菊池流帆の大学4年間は「最高でした」、話題の『note』は「終わりじゃなくて始まり」

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大阪体育大DF菊池流帆は来季山口に加入する

[12.19 インカレ準決勝 駒澤大2-1大阪体育大 NACK]

 両者の実力が最大限に発揮された試合。激しくぶつかり合う中で誰よりも存在感を発揮していたのは、やはり大阪体育大DF菊池流帆(4年=青森山田高/山口内定)だった。

 188㎝という高身長以上に、菊池の居場所を明確にするのはその掛け声。「オリャーーー!」という雄たけびとともに繰り出すヘディングで制空権を奪い、今大会はほとんどの空中戦を制してみせた。準決勝でも序盤はスタンドまで声は届かなかったものの、1-1と試合が激しさを増すにつれて雄たけびが響き始める。1-2となった終盤にはパワープレー要員として前線に移り、幾度と空中戦に挑んだもののゴールならず。試合終了直後、菊池はその場に伏して涙に暮れた。

 敗戦後は「何も出てこない」と言葉少なげに語り始める。「今日の試合はやり切っていないですけど、勝負だから勝ち負けはどうしてもある」と強引に結果を飲み込みつつ、「大学4年間に悔いはない」とチームへの思いを明かした。

「最高でした。最高っすよ。ここまで来れたのも(林)大地だったり(田中)駿汰だったり、3回生がチームを引っ張ってくれたから。キャプテンの江郷下(奨)は試合に出ていないですけど、ずっと腐らずやってきていた。(前期は試合に出られない中で)監督もそれでもやっぱり指導してくれたので本当に申し訳ないと思っていますし、最後の大会で日本一取って終わりたかったんですけど、本当に力不足で申し訳ない」

 来季からはレノファ山口FCでプロの舞台に挑む。「山口で試合に出ることが大事。その先の日本代表とか海外とかは絶対に自分が達成する目標なので、そこはブレずにやってきたいけど、まずは山口で一生懸命やって結果を出さないと。意味がない」。力強く、断言するように今後の目標を語った。

 菊池は9日から投稿サイト『note』でブログ(https://note.mu/ryuppon04/n/n6928d3758181)をスタート。“気持ち”の言語化にはネット上でも反響があり、DF鈴木翔登(熊本)やDF米田隼也(長崎)、MF中野誠也(磐田)といったプロ選手からも反応があった。「いつも日記を書くのが好き」という菊池は、『note』で発信するサッカー選手が増えてきたこともあり、「面白そうだったので」始めたという。

 東日本大震災のことや青森山田高時代の葛藤などが記される中、「1番尊敬している男に言われたことがある」という一節も。その人物について聞くと、「それは言えない。それはまだnoteの続きに。あれが終わりじゃなくて始まりなので」と連載を仄めかしていた。

(取材・文 石川祐介)
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