U-17日本代表が出国前日に関東大学選抜と40分×4本の練習試合。U-17W杯で1試合でも多く戦い、成長を遂げる
[10.31 練習試合 U-17日本代表 3-8 関東大学選抜]
U-17ワールドカップインドネシア2023(11月10日開幕)に臨むU-17日本代表が31日、関東大学選抜と40分×4本の練習試合を行った。1本目7分にFW徳田誉(鹿島ユース)が先制点をマークしたが、1本目1-2、2本目1-3、3本目0-0、4本目1-3、トータルスコアは3-8で敗戦。なお、2本目終了後にPK戦を実施し、GK後藤亘(FC東京U-18)が3本を止める活躍でU-17代表が2-0で勝った。また、4本目終了後のPK戦も12-11でU-17代表が勝利。U-17代表は11月1日にU-17ワールドカップの開催地・インドネシアへ出発し、11月11日のグループステージ初戦でポーランドと戦う。
U-17代表は2チーム体制に近いメンバー構成で、1、2本目と、3、4本目とで大きく選手を変更。対して42人を招集した大学選抜は1本ごとにほぼフルメンバーを入れ替えて戦った。U-17代表の1本目はGK後藤亘(FC東京U-18)、DF柴田翔太郎(川崎F U-18)、本多康太郎(湘南U-18)、松本遥翔(鹿島ユース)、ゲーム主将の小杉啓太(湘南U-18)、MF矢田龍之介(清水ユース)、山本丈偉(東京Vユース)、佐藤龍之介(FC東京U-18)、川村楽人(東京Vユース)、FW高岡伶颯(日章学園高)、徳田の11人でスタートした。
そのU-17代表は7分、ドリブルで中央のスペースを突いた佐藤がスルーパス。これを徳田が1タッチの右足シュートでゴールへ沈め、先制点を奪った。U-17代表は前からボールを奪いに来る相手を外しながら攻めようとするが、攻め切れずに押し返されてしまう。そして、17分、MF溝口駿(法政大3年)に決められて同点。ビルドアップでのミスからピンチを招くシーンがあったほか、失ったボールをなかなか奪い返すことができなかった。
その中でU-17代表は、練習から意識していたオープンスペースを狙った攻撃にもチャレンジ。また、中盤で強度高く戦う山本や佐藤のスルーパスなどから勝ち越し点を狙う。だが、終了間際、関東大学選抜FW古澤ナベル慈宇(東京国際大3年)にヘディングシュートを決められ、1-2で40分間を終えた。
2本目はGK後藤、DF柴田、本多、サポートメンバーの大川佑梧(鹿島ユース)、小杉、MF矢田、山本、佐藤、川村、FW徳田、名和田我空(神村学園高)の11人でスタート。開始20秒、U-17代表は相手GKのミスを突いた徳田がこの日2点目のゴールを奪った。
その後も佐藤が連係から右足シュートを撃ち込み、12分には自陣からボールを繋ぎ、右サイドを山本が抜け出す。ラストパスに走り込んだ川村が1タッチでループシュートを狙うも枠左。逆に17分、右クロスをFW渡邊啓吾(桐蔭横浜大3年)に頭で合わされ、失点してしまう。
U-17代表は22分に佐藤と徳田に代え、高岡とDF永野修都(FC東京U-18)を投入。だが、終盤は2本続けて戦うU-17代表と、フレッシュな関東大学選抜との差が出てしまう。22分、ゴール前のこぼれ球をMF増⽥鈴太郎(東洋⼤3年)に押し込まれると、31分にはCKからCB常藤奏(中央大1年)に頭で決められた。
U-17代表は終盤、川村や高岡が抜け出しから決定的なシュート。だが、決め切れずに1-3で2本目を終えた。直後に行われたPK戦は相手のU-20日本代表GK彼島優(流通経済大2年)に2本を止められたが、GK後藤が3人のシュートをストップ。残り1人もポストと、ゴールを割らせずに2-0で勝利している。
3本目、U-17代表はGK上林大誠(山形ユース)、ゲーム主将のDF松本、永野、大川、森壮一朗(名古屋U-18)、MF中島洋太朗(広島ユース)、布施克真(日大藤沢高)、名和田、佃颯太(横浜FCユース)、FW井上愛簾(広島ユース)、道脇豊(熊本)が先発。大川、森、佃と3人のサポートメンバーも出場した。
関東大学選抜は3年生中心だった1本目、2本目から3本目は下級生中心のメンバー構成に。U-17代表は立ち上がりに危ないシーンがあったが、その後は強度高く戦う中島や永野、松本が球際で奮闘するなど得点を許さない。12分には左サイドからボールを繋ぎ、道脇のラストパスから名和田がファーポスト直撃の右足シュート。その後、森山佳郎監督から背後への動きを求められる中でチャンスを作ろうとするが、なかなか回数を増やすことができなかった。
21分に3人を入れ替え、MF吉永夢希(神村学園高)とともにサポートメンバーのMF前田勘太朗(横浜FCユース)、DF林駿佑(川崎F U-18)を投入。得点することはできなかったが、決定打を打たせずに0-0で40分間を終えた。
4本目はGK上林、DF佃、森、ゲーム主将の土屋櫂大(川崎F U-18)、布施、MF中島、林、前田、吉永、FW井上、道脇でスタート。3分、CKからFW鈴⽊⼤翔(早稲田大1年)に決められると、その後もサイドからゴール前のシーンを作られた。
20分にも鈴木に決められたが、28分に左から仕掛けた吉永のラストパスを道脇が左足で決めて1点を返す。体力的に厳しい終盤も土屋中心に踏ん張り、道脇、井上が前線で身体を張っていたが、36分にMF東廉(早稲⽥⼤3年)に豪快な一撃を決められ、4本目は1-3だった。終了後に行われたPK戦は互いに11人目まで成功。12人目、先攻のU-17代表が決めると、最後はGK上林が左へ跳んで止め、決着をつけた。
U-17ワールドカップ初戦まであと11日。各選手は体力的な負担の増えた2本目、4本目にそれぞれ突き放されたものの、4歳年上の相手たちに良く食い下がっていた。森山監督は今回のU-17代表について、「(4年前に比べると)経験がまだまだ浅くて、もしかしたら大化けとか、ポテンシャルが磨かれつつある段階なので、波に乗っていけたらぐぐっと行ける可能性のあるグループだと思いますね」と評した。
U-17ワールドカップのグループステージは抜群の攻撃力を持つポーランド、FIFAランク1位のアルゼンチン、アフリカ王者・セネガルとの3試合。指揮官は「決勝トーナメントに入ってここからギアを1段、2段上げないと勝ち上がれないというのは上の代表も同じなので。上がって、強いところを倒して、1試合をやるだけで物凄い成長を遂げるのがワールドカップなので、1日でも長く、1試合でも多くさせてあげたい」。この日出た課題を修正。1試合1試合戦いながら成長し、目標のファイナルまで7試合を戦う。
(取材・文 吉田太郎)
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U-17ワールドカップインドネシア2023(11月10日開幕)に臨むU-17日本代表が31日、関東大学選抜と40分×4本の練習試合を行った。1本目7分にFW徳田誉(鹿島ユース)が先制点をマークしたが、1本目1-2、2本目1-3、3本目0-0、4本目1-3、トータルスコアは3-8で敗戦。なお、2本目終了後にPK戦を実施し、GK後藤亘(FC東京U-18)が3本を止める活躍でU-17代表が2-0で勝った。また、4本目終了後のPK戦も12-11でU-17代表が勝利。U-17代表は11月1日にU-17ワールドカップの開催地・インドネシアへ出発し、11月11日のグループステージ初戦でポーランドと戦う。
U-17代表は2チーム体制に近いメンバー構成で、1、2本目と、3、4本目とで大きく選手を変更。対して42人を招集した大学選抜は1本ごとにほぼフルメンバーを入れ替えて戦った。U-17代表の1本目はGK後藤亘(FC東京U-18)、DF柴田翔太郎(川崎F U-18)、本多康太郎(湘南U-18)、松本遥翔(鹿島ユース)、ゲーム主将の小杉啓太(湘南U-18)、MF矢田龍之介(清水ユース)、山本丈偉(東京Vユース)、佐藤龍之介(FC東京U-18)、川村楽人(東京Vユース)、FW高岡伶颯(日章学園高)、徳田の11人でスタートした。
そのU-17代表は7分、ドリブルで中央のスペースを突いた佐藤がスルーパス。これを徳田が1タッチの右足シュートでゴールへ沈め、先制点を奪った。U-17代表は前からボールを奪いに来る相手を外しながら攻めようとするが、攻め切れずに押し返されてしまう。そして、17分、MF溝口駿(法政大3年)に決められて同点。ビルドアップでのミスからピンチを招くシーンがあったほか、失ったボールをなかなか奪い返すことができなかった。
その中でU-17代表は、練習から意識していたオープンスペースを狙った攻撃にもチャレンジ。また、中盤で強度高く戦う山本や佐藤のスルーパスなどから勝ち越し点を狙う。だが、終了間際、関東大学選抜FW古澤ナベル慈宇(東京国際大3年)にヘディングシュートを決められ、1-2で40分間を終えた。
2本目はGK後藤、DF柴田、本多、サポートメンバーの大川佑梧(鹿島ユース)、小杉、MF矢田、山本、佐藤、川村、FW徳田、名和田我空(神村学園高)の11人でスタート。開始20秒、U-17代表は相手GKのミスを突いた徳田がこの日2点目のゴールを奪った。
その後も佐藤が連係から右足シュートを撃ち込み、12分には自陣からボールを繋ぎ、右サイドを山本が抜け出す。ラストパスに走り込んだ川村が1タッチでループシュートを狙うも枠左。逆に17分、右クロスをFW渡邊啓吾(桐蔭横浜大3年)に頭で合わされ、失点してしまう。
U-17代表は22分に佐藤と徳田に代え、高岡とDF永野修都(FC東京U-18)を投入。だが、終盤は2本続けて戦うU-17代表と、フレッシュな関東大学選抜との差が出てしまう。22分、ゴール前のこぼれ球をMF増⽥鈴太郎(東洋⼤3年)に押し込まれると、31分にはCKからCB常藤奏(中央大1年)に頭で決められた。
U-17代表は終盤、川村や高岡が抜け出しから決定的なシュート。だが、決め切れずに1-3で2本目を終えた。直後に行われたPK戦は相手のU-20日本代表GK彼島優(流通経済大2年)に2本を止められたが、GK後藤が3人のシュートをストップ。残り1人もポストと、ゴールを割らせずに2-0で勝利している。
3本目、U-17代表はGK上林大誠(山形ユース)、ゲーム主将のDF松本、永野、大川、森壮一朗(名古屋U-18)、MF中島洋太朗(広島ユース)、布施克真(日大藤沢高)、名和田、佃颯太(横浜FCユース)、FW井上愛簾(広島ユース)、道脇豊(熊本)が先発。大川、森、佃と3人のサポートメンバーも出場した。
関東大学選抜は3年生中心だった1本目、2本目から3本目は下級生中心のメンバー構成に。U-17代表は立ち上がりに危ないシーンがあったが、その後は強度高く戦う中島や永野、松本が球際で奮闘するなど得点を許さない。12分には左サイドからボールを繋ぎ、道脇のラストパスから名和田がファーポスト直撃の右足シュート。その後、森山佳郎監督から背後への動きを求められる中でチャンスを作ろうとするが、なかなか回数を増やすことができなかった。
21分に3人を入れ替え、MF吉永夢希(神村学園高)とともにサポートメンバーのMF前田勘太朗(横浜FCユース)、DF林駿佑(川崎F U-18)を投入。得点することはできなかったが、決定打を打たせずに0-0で40分間を終えた。
4本目はGK上林、DF佃、森、ゲーム主将の土屋櫂大(川崎F U-18)、布施、MF中島、林、前田、吉永、FW井上、道脇でスタート。3分、CKからFW鈴⽊⼤翔(早稲田大1年)に決められると、その後もサイドからゴール前のシーンを作られた。
20分にも鈴木に決められたが、28分に左から仕掛けた吉永のラストパスを道脇が左足で決めて1点を返す。体力的に厳しい終盤も土屋中心に踏ん張り、道脇、井上が前線で身体を張っていたが、36分にMF東廉(早稲⽥⼤3年)に豪快な一撃を決められ、4本目は1-3だった。終了後に行われたPK戦は互いに11人目まで成功。12人目、先攻のU-17代表が決めると、最後はGK上林が左へ跳んで止め、決着をつけた。
U-17ワールドカップ初戦まであと11日。各選手は体力的な負担の増えた2本目、4本目にそれぞれ突き放されたものの、4歳年上の相手たちに良く食い下がっていた。森山監督は今回のU-17代表について、「(4年前に比べると)経験がまだまだ浅くて、もしかしたら大化けとか、ポテンシャルが磨かれつつある段階なので、波に乗っていけたらぐぐっと行ける可能性のあるグループだと思いますね」と評した。
U-17ワールドカップのグループステージは抜群の攻撃力を持つポーランド、FIFAランク1位のアルゼンチン、アフリカ王者・セネガルとの3試合。指揮官は「決勝トーナメントに入ってここからギアを1段、2段上げないと勝ち上がれないというのは上の代表も同じなので。上がって、強いところを倒して、1試合をやるだけで物凄い成長を遂げるのがワールドカップなので、1日でも長く、1試合でも多くさせてあげたい」。この日出た課題を修正。1試合1試合戦いながら成長し、目標のファイナルまで7試合を戦う。
(取材・文 吉田太郎)
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