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アジアでMVP、得点王獲得後、悔しい日々も。FW名和田我空(神村学園高)はU-17ワールドカップで「借りを返す」

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U-17日本代表FW名和田我空(神村学園高)はU-17ワールドカップで「借りを返す」

 U-17ワールドカップで「借りを返す」。U-17日本代表FW名和田我空(神村学園高)は6月から7月に掛けて開催されたU-17アジアカップタイ2023で大会MVPと得点王(5得点)の個人2冠。決勝で直接FK弾を含む2得点をマークするなどチームのアジア連覇に大きく貢献し、その名を広める大会にした。

 そして今回、今年一年間目指して来たというU-17ワールドカップインドネシア2023に挑戦。名和田は30日午前の合宿初練習後、「やっぱりこれに照準を合わせて来ていたので、本当にそれへの思いが強いというのがあります」と力を込めた。

 名和田はU-15、U-16時代から年代別日本代表の中心選手の一人。神村学園高では1年時から活躍し、今年はエースナンバー14を背負ってシーズン序盤から活躍してきた。5月末のインターハイ鹿児島県予選では準決勝、決勝で2試合連続スーパーゴール。チームを優勝へ導いたFWは好調を維持したままアジアを戦い、躍動した。

 その名和田にとって、U-17ワールドカップは「借りを返す」場なのだという。「あんな結果を残せて注目されたので、その中で(U-17アジアカップ以降、)自分が結果を残せなかったのは悔しかったです。(9月の)フランス遠征などで悔しい思いをしていたので、それをワールドカップで返そうと思っていたので、このワールドカップで借りを返したい」。モチベーションは非常に高い。

 名和田は期待された8月のインターハイで無得点に終わり、初戦敗退。9月のU-17日本代表フランス遠征でもFW井上愛簾(広島ユース)らがアピールする中で無得点に終わっている。怪我が続き、回復後にまた負傷。アジアの戦い後、引き締めて取り組んできたが、悔しい日々だった。

 だからこそ、コンディションが回復して臨む今大会への思いは一際強い。「(怪我が続いて)ツイていないなというのは思っていたんですけれども、選ばれたからにはそんなの関係ないので、強い気持ちを持って怪我とか関係なく活躍したい。ここに来れなかった選手の分も戦わないといけない」と意気込んでいる。

 U-17ワールドカップの目標はアジアに続く優勝と個人賞の獲得だ。「個人賞はもちろん狙っていますし、優勝しないとそういうのもついて来ないと思うので、優勝。個人としても、人生のターニングポイントだと思う。この大会に懸けたいという思いがあります」。サッカー人生を懸けて世界に挑む。

 決勝まで勝ち上がることができれば、計7試合を戦うことができる。「7試合すれば成長速度もだいぶ変わると思うので、このU-17ワールドカップというものを良いものにしていきたいと思っています」。結果を勝ち取るだけでなく、大きく成長する大会に。そのために、ベストの準備をする。

「まずは身体のコンディションだったり、チームメートとのコミュニケーションだったり、日本が一番良い状態で臨めるように協力して頑張りたい」。U-17ワールドカップはグループステージからポーランド、アルゼンチン、セネガルと強敵揃い。ドリブル、パス、シュートで違いを生み出すFWは目の前の試合に集中し、毎試合ゴールを決めて「借りを返す」
 
(取材・文 吉田太郎)
●U-17ワールドカップ2023特集ページ
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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