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日本代表ザッケローニ監督「DFラインの入れ替えはイラク戦を見据えたもの」

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 すべてはW杯最終予選のイラク戦(9月11日・埼玉)に向けての選考だ。今回発表されたキリンチャレンジカップ2012を戦う日本代表メンバーの中で、最大の注目は最終ラインの選手選考だった。イビチャ・オシム監督時代にも招集されていたDF水本裕貴(広島)が代表に復帰したと同時に、これまで招集され続けた内田篤人(シャルケ)、今野泰幸(G大阪)、栗原勇蔵(横浜FM)の3選手が外れている。

 水本を招集した理由について、アルベルト・ザッケローニ監督は「次の最終予選に関してはDFラインのメンバー3人が出場停止という状況です。そういったことを含め、これまで見る機会のなかった選手を手元に置いておきたいと思い、招集に至りました。今回の招集メンバー全員に言えることですが、各所属クラブで活躍している選手です。水本選手も例外にもれず、シーズン最初から所属の広島で素晴らしい活躍を見せてくれています」と語った。

 代表が活動できる時間は、クラブに比べて短い。出場停止となった3選手を呼び、代表で活動することも、一つの手段であるはずだ。しかし、ザッケローニ監督はイラク戦で出場停止になる3選手を招集しなかった。そのため、各選手の所属クラブでのパフォーマンスに満足いっていないことも考えられたが、指揮官はイラク戦で出場停止であることだけが理由だと強調する。

「現時点でA代表が抱えている大きな問題は、警告の累積からくるDFラインの出場停止をどう修正するか。そこを今回の合宿では重点的に考えていきたい。そこに誰が入るのが適任かを見極めたい。(3選手を外したのは)シンプルに次の予選に出場停止だから呼びませんでした。イラク戦に向けて、2試合(ベネズエラ戦と9月6日のUAE戦)のテストがありますので、どういう構成で行くべきかを見極めるためには理に適っていると思っています」

 ロンドン五輪を戦っている選手の中から、GK権田修一(F東京)、DF吉田麻也(VVV)、酒井高徳(シュツットガルト)という守備の3選手を招集したのも、同様の理由だと明かす。

「フレンドリーマッチと言えども、ベースのメンバーは可能な限り手元に置きたいと思います。チームでやることを復習するという意味でも同じトレーニングを行いたいと思いました。代表に来て、試合に出場する機会がない選手が出てくるかもしれませんが、このチームに来て、やり方を分かってもらう、思い出してもらうことは、次につながる大切な機会になると思っています」

 今回招集した選手の特徴については「伊野波選手と水本選手はタイプが似ていてスピードのあるタイプのCB。岩政選手は空中戦で強さを発揮するタイプです。それぞれが置かれる状況によって、発揮できる力は違うと思っています」と語り、「予選までに2試合、テストの場がありますから、どういった構成が良いかをそこで見極めたい」と語った。

(取材・文 河合拓)

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