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香川不在時のザックジャパン、90分勝利は2試合のみ

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 10月23日の欧州CL・ブラガ戦で左膝を負傷したMF香川真司(マンチェスター・U)は当初の見立てどおりオマーン戦には招集されなかったが、アルベルト・ザッケローニ監督に不安げな様子はみじんもなかった。

 香川が不在になることについて聞かれた指揮官は「(香川と本田圭佑の)2人は私が監督に就任してから、ほぼレギュラーとしてプレーしており、高く評価しているし、信頼している。ただ、香川はアジア杯から札幌戦までの間は出られなかった」と、以前にも不在期間があったことを説明。「しかし、これまで彼らの代わりに入った選手は良い仕事をしてくれたことを忘れてはいけない」と続けた。

 確かにザッケローニ監督が言うどおり、香川は昨年1月のアジア杯準決勝・韓国戦で左足甲を骨折してチームを離脱し、日本代表への復帰は昨年8月10日の韓国戦だった。ただ、その間にあった3試合の成績は、アジア杯決勝・オーストラリア戦は延長1-0勝利、キリン杯のペルー戦とチェコ戦はいずれも0-0と、90分で勝利した試合はない。

 また、ベンチ入りしたが出場しなかった昨年11月15日のW杯3次予選・北朝鮮戦は0-1で敗戦。香川不在で90分勝利を収めた試合は今年2月24日のアイスランド戦(3-1)と9月11日のW杯最終予選イラク戦の2試合のみだ。指揮官が言うほどには、代わりの選手が活躍していないというのが現状だ。

 とはいえ、今の日本代表が香川抜きでいきなり中東勢に歯が立たなくなるとは考えにくいのも事実。FW岡崎慎司やFW清武弘嗣がいれば十分な戦力を保てるはずだ。また、はっきりと“香川の代役”というプレイヤーがいないほど、攻撃陣のキャラクターが立ってきているという側面も窺える。

ザッケローニ監督は、「香川が最近、(マンチェスター・Uで)経験していることは貴重なこと。これ以上の経験をできる選手はいない」と話した。香川が再び復帰したときのチーム構成に、新たなオプションがプラスされるような成果を得ることも、勝ち点3と同時に求めたいことだ。

(取材・文 矢内由美子)

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