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[フットサルW杯2012]決勝T進出を喜ぶミゲル監督「みんながヒーロー」

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[11.7 フットサルW杯2012 日本代表 4-2 リビア代表 フアマーク]

 結果が出た後も、スペイン人監督は結果を信じることができないようだった。日本代表のスタッフに、決勝トーナメント進出が決まったから、ミックスゾーンでコメントしてくれと頼まれ、ミックスゾーンに現れたが、星勘定についてスタッフと確認を繰り返した。在原正明通訳兼コーチが「いくら言っても信じないんですよ。信じないんじゃなくて、わからないんです」と苦笑する一幕もあったが、説明を聞いて納得したミゲル・ロドリゴ監督は、「おめでとう。素晴らしい。みんなの素晴らしい仕事」と、日本語で挨拶し、言葉を続けた。

「私たちは、このために今大会に来たので満足しています。まずは満足して幸福感に浸ることもできますが、ここで足を止めてはいけません。私たちにできることは、野心を持って次の戦いに臨むことです。ただ、非常に満足していますし、非常に幸せな気分です」

 前回大会王者のブラジル、欧州の強豪ポルトガル、アフリカ王者のリビア。初の決勝トーナメント出場を目指す日本代表にとって、あまりにも高い壁のように思われた。しかし、ミゲル・ジャパンは、ブラジルにこそ1-4で敗れたが、ポルトガルに5-5で引き分け、リビアにも4-2で勝利した。

「このグループを抜けることは、本当に難しかった。ポルトガル戦の勝ち点1が勝利に値するものでしたし、このグループを突破することは非常に大きなことでした。本当にヒーローものではないですが、ああいった戦いで奇跡が起こらなければ、ここに辿り着くことはできませんでした。みんながヒーローです」

 決勝トーナメント1回戦で、日本が対戦する可能性があるのは、ウクライナか、スペインのどちらかだ。「相手がどこでも良い」と語った指揮官だが、ベスト8に進出するためには、ブラジルと並び世界トップに君臨するスペインよりは、W杯前の親善試合で勝利したウクライナ(3-1)との対戦が望ましいと、正直に明かしている。

「スペインとの試合になると、何とも言い難いですが…。本当に奇跡が必要な対戦相手です。でも、奇跡はたまに起こりますから。ウクライナに関しては、私たちと同じレベルにあると思います。スペインと当たるよりは、上に行く可能性があると思います」

 フットサル日本代表は、明日8日はオフにして、11日に予定されているラウンド16に備えるという。就任当初に掲げた『アジア選手権優勝』と『W杯のグループステージ突破』という2つの目標を達成したミゲル監督は「目的を達成したという点では、ゴールにたどり着くことができたと言えます。そういう意味でも満足し、幸せな気分」と笑顔を見せたが、その目は、まだまだ大会でサプライズを起こしたいという意欲に満ちていた。

(取材・文 河合拓)

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