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フットサル日本代表 vs フットサル・アルゼンチン代表 試合後選手コメント

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 フットサル日本代表は15日、アルゼンチン代表と親善試合を行い1-5で敗れた。W杯後の初となる国際Aマッチに敗れた選手たちは、守備面での反省を口にしつつ、攻撃面では手応えを感じていた。

 以下、選手コメント

●FP村上哲哉(シュライカー大阪)
―厳しい結果にはなったが、内容は悪くなかったのでは?
「毎回の失点の仕方と立ち上がりに先に相手に点を取られたのがすべてだと思います。もう少し中でDFの統一を出せたら良かった。向こうも個人技があって、簡単に3-1の状態からピヴォに当てられていたので。それで結局、長い距離を走られて、そこについていけなくて、ピヴォ当て、落としのシュートという形でやられていました。もうちょっとボールに行くのか、下がるのかっていうのを、中で喋って修正できれば良かったと思います」
―ファーストDFがはまらなかった?
「そうですね。下が滑るので、飛び込み過ぎて、トラップされたときについていけなかったことはあると思います」
―滑るのは、開幕前の今の状態でフィジカルが上がり切っていないから?
「それもあると思います。でも、それを含めて勝たなければいけない試合でした。ちょっと簡単に失点し過ぎましたね」
―相手の決定力は、かなり高かったが?
「やっぱりうまいですよ。ピヴォ当ての入るタイミングもそうですし。でも、あの相手にもっとやれないと、世界では勝てないので」
―今日の試合でテーマに掲げていたことは?
「14人ベンチに入れるということで、練習からミゲルは3つのセットをつくっていました。フィクソは、 (北原)亘と僕と滝田(学)で、一枚ずつ入れてという形でしたので、攻撃的にっていうより、どちらかというと守備的にしっかり後ろで守ってさばく意識の方が強かったと思います。とにかく失点をしないことを前提に。そこから良いリズムに持って行ければという感じで入れました」
―ただ、今日に関しては、攻撃面の方が良かったように感じたが?
「まぁ、そうですね。僕らはそこにしっかり配球できれば、ニブ(仁部屋和弘)にしろ(吉川)智貴にしろ(室田)祐希にしろ、サイドで突破はできるので。そういう意味では、そこは意識していました」
―中2日で試合があるが?
「個人的には思った以上に体も動きました。やれた部分と修正しないといけない部分はありますが、2連敗は許されないので修正して、中2日しかありませんが、しっかりやっていきたいと思います」
―試合前、カズさんには何て声をかけられた?
「握手して、『頑張れよ』っていうことと『お客さんもたくさん入っているから、しっかり魅せろ』と言われでした」
―W杯を経て、確認したかったことは?
「個人的にはW杯を経験したことで、今日の試合もそうですが、すごく落ち着いて試合に入れている感触があります。新しいメンバーも加わっての日本代表のスタートでしたが、今の日本のポテンシャルは前のW杯の代表よりも高いと思います。それに期待して、今日からスタートなのでしっかり先を見据えて戦っていきたいです」

●FP室田祐希(名古屋オーシャンズ)
―デビュー戦を終えての感想は?
「自分は負けるのが嫌いなので、すごく悔しかったです。個人としては前半に出番がなくて、後半のスタートから名前を呼ばれて、自分の持ち味であるドリブルを出して行こうということで頭がいっぱいでした。何本かドリブルで成功できたので、少しは収穫があったかなと思います」
―惜しいシュートもありましたが?
「そうですね。相手が足を出してこなかったので、横にずらして、シュートを打とうという考えがあったので、それを実践できてよかったかなと思います。でも、悔しいですね」
―得意なドリブルはアルゼンチン相手にも通用する手応えは得た?
「何本かですけど、スピードで抜けたり、シュートまで行けたので、少しは手応えがあったと思います」
―後半は左のタッチラインを突破する場面もあったが?
「スピードで行こうと思ったのですが、足が出てこなかったので。そこは自分の状況判断で、後ろに一回下がってから足を出してきたので、それをかわして行くことができました。判断というか、とっさに動いたので」
―もうちょっと早く足を出してくると思った時に、向こうが我慢した?
「スピードで縦に突破しようとしたのですが、相手が足を出してこなかったので、ちょっと迷っちゃって。迷っちゃった結果、とっさに体が動いたっていうか。自分で考えてやったプレーではなかったので、今後そういうプレーをどんどん増やせていけたら、もっと怖い選手になるかなと思います」
―今日は経験ある選手に言われたことは?
「どんどんドリブルで仕掛けてこいとは、みんなに言われましたね。カバーに入るからどんどん仕掛けて来いと言われたのでやりやすかったです。声を掛けてくれたのも、緊張もあったのですが、それでリラックスした状態で試合に挑めたので助かりました」
―北海道時代に1試合プレーしたカズさんには声を掛けてもらった?
「ただ、挨拶しただけですね。多分、自分のこと覚えてないと思いますよ」
―覚えていましたよ。『20番の選手は一緒にやったよね』と言い、褒めてました。
「1回しか一緒にやっていないから、覚えてもらえていないと思っていました。嬉しいです」
―後半のキックオフから出たことでやりやすかった?
「いえ。体が冷え切っちゃっていたので。最初に出たときはすぐに意気もあがったし、足もパンパンだったので。後半の2回目は良い状態で入れたので、ドリブルも仕掛けられましたし。だから、ハーフタイム中も上げておかなきゃいけないんだなと思いました」
―デビューの緊張は?
「やっぱりピッチに入る前は緊張しました。ロッカールームを出てから、緊張はすごかったです。でも、ピッチに入ってからは『頑張ろう』という気持ちが強かったので、そこは大丈夫でした」
―海外経験があまりないと話していたが、あまり戸惑っている感じは受けなかったが?
「やっぱりスペイン遠征が大きかったですね。スペイン遠征の最初のときは、海外も初めてでしたし、外国人選手の間合いとかも分からなくて、ドリブルも仕掛けられませんでした。でも、スペイン遠征の最後の方は、徐々に感覚がつかめてきて、何本かできました。スペインで試合をしたことが、多分大きかったですね」
―デビュー戦で自分の力を出し切れたという感触は?
「そうですね。思っていたよりは、ドリブルもできたし、シュートも打てたので。最初にしては少しは良かったのかなと思います。もっとできないと思っていたので。不安もあったし、緊張もあったので、もっとできないと思っていたので、少しは良かったと思います」
―中2日でまたアルゼンチンとの試合があるが?
「自分のプレーで頭がいっぱいなので。チームがどうするかはちょっと分かりませんけど、4失点目のときはキックインからシュートのこぼれ球を決められた場面は、自分の寄せの甘さからだったと思ったので、別府でやるときは、そういうところを修正して、今日みたくどんどん仕掛けられたらと思います」

●FP滝田学(ペスカドーラ町田)
―悔しい結果になったが?
「そうですね。悔しいです。悔しいしかないですね」
―何が前半はうまくいかなかった?
「ミゲルも話していたと思いますが、DFが取れるか取れないかのところで、全部取りにいってしまって、スペースを空けてしまった。それに相手のピヴォに対してのボールが、すごくうまかった。最初は自分がもう少し前に入っていないといけなかったのですが、ピヴォを見失うシーンがあったので、それは少し入り方としては良くなかったですね。攻めの入り方としては、チャンスもつくれていましたし、悪い部分だけではなかったと思います。ただ、DFから自分たちは入っていかないといけないと分かっていた中で、ちょっと攻め急いだことと、取り急いだことが、ちょっとあったと思います」
―攻撃は良い部分が出ていたが?
「そうですね。実際にチャンスも相当あったと思うんですけど、ポストに当たったりとか、いろいろありました。もう少し厚みを持たせるようにしないと、最後の部分で入らないかなと。感触としては、攻めも悪くない部分は結構あったと思うので、そこは評価できる部分はあったと思います」
―あらためて世界の強豪と戦ってみて?
「やっぱり国を背負って相手と戦っていますし、本当にちょっとしたところで、点を取られちゃうっていうところは、本当に痛感しました。毎回、痛感しますし、改善できていないわけではありませんが、今回に関しては全部が裏目に出て、マイナスの様子がすごくいっぱい出てしまったと思います」
―失点が多かった?
「そうですね。でも、後半に関しては修正もできていたので、そんなに悲観することだけではないし、大分に行って、リベンジになると思いますが、自分たちの守備から入るフットサルをしたい。そこから、今までよりも攻撃的な部分が強くなっているところは絶対にあると思うので、みなさんに示していきたいです」
―先発に入り、積極的にシュートを打っていたが?
「あの形で打てることが、今までチームでもなかったですし、代表でもほとんどなかったんですけど、今は(森岡)薫くんとか、ラファ(逸見勝利ラファエル)とか、ニブ(仁部屋和弘)とか、星(翔太)くんとかと一緒に出ると、しっかりキープしながら周りを見える選手が増えてきたので、あそこで自分が攻撃に絡む役割が増えたことは事実です。あそこで早い時間で1点を取らないと役割不足なので、今後ともずっと狙って行かないといけないと思っています」
―ピッチの中で声が出ていないと話していた選手もいたが、どう感じた?
「声ですか? 声に関しては、出している選手と出していない選手もいますが、それも役割なので。自分は出さないといけない役割なので、出してはいたかなとは思います。でも、もっと出せる部分もありましたし、声掛けとかもっと勉強しないといけないとは思います。哲くん(村上哲哉)とか、亘くん(北原亘)とか、リーダーシップを発揮して声が出ていた部分はありますが、経験の少ない選手がもっと自然と声を出せる環境づくりは必要かもしれません」

●FP仁部屋和弘(バサジィ大分)
―1-5という試合。1点取ったが、悔しさが強い?
「そうですね。ホーム戦ですし、必ず勝たなければいけない試合だったので。自分たちのミスで失点をしてしまったので、そういう部分を修正して次につなげられたらと思います」
―今回は攻撃的な選手が増えたが?
「守備のリスクというより、試合の入りもそうですが、行くべき選手がもう一つプレスを掛けられなかったことで試合展開が良くなかったと思います。そこを逆に機能させることができれば、すごく良いメンバーがいますし、良い攻撃にもつながっているので、そういう部分を意識して次の試合に臨みたいと思います」
―守備が機能しなかったのは、コンディション? 連係不足?
「やっぱり意識ですかね。集中力。コンディションとかは言っていられませんし、みんな集中してDFはしていれば問題なかったと思うので、そういうところを高めていければいいと思います」
―チャンスはアルゼンチンと同じくらいあったが、最後の場面が…。
「そうですね。失点の部分も含めて、最後のそういう集中力を切らさないという部分での判断と精度が大事だと思うので。次はそういうことを言っていられないと思うので、もっともっと突き詰めていくしかないですね。チャンスは日本の方があったと思うので、その中で最後のシュートを決められなかったのが痛かった。失点もそんなに『うおー』っていう失点もなかったので、本当に細かいところの勝負だったと思うので、一つひとつそういうところを意識して戦っていきたいです」
―ミゲルは「サッカーゴールだったら入っていた」と話していたが。
「いやぁ、チャンスはたくさんあったので、そういうところを決めきれなかったことが大きかったですね」
―カズさん(三浦知良)とは話した?
「試合前に、応援してくれましたね。何て話していたかは、ちょっと覚えていないですけど。みんなとハイタッチして」
―カズさんの前で点を取れたが?
「そうですね。でも、点というよりも、試合に勝ちたかったので、そっちの悔しい気持ちの方が大きいです」
―W杯前にメンバーから外れて、悔しさもあったと思うが?
「そういうことがあって、自分自身、前向きに捉えられるようになって、そういう意味では前進してこれていると思います。今後、こういう試合でもそうですし、全力でプレーしていきたいと思っています」
―次は本拠地の大分での試合になるが?
「本当に、誰よりも、自分自身が楽しんでプレーしていきたいと思います。そして絶対に勝ちたいですね」
―かなりゴリゴリと意識的に仕掛けていたのでは?
「最初に出たときは、相手の様子をいろいろと探っていて、2本目以降からは、もう自分が(点を)取りに行くという意識を持ってプレーしていました。あとはDFで行って、ちょっとリズムをつくろうと思っていたので、前からプレスに行きましたし。後半は、もう仕掛けるしかないと思ったので、仕掛けることは意識してプレーしました」
―ゴールシーンも詰まってから、持って行った?
「自分の中では『行けるな』というのがありました。取りに来られても『絶対に行ける』という気持ちがあったので。逆に周りの選手たちが、(相手選手を)引っ張ってくれたこともあったので。(日本は)ボールも保持していましたし、それでもっと点を取れたら良かったのですが…。内容は本当に相手より良かったと思いますが、その中でやっぱり勝たなければいけなかった。あとはやっぱり失点の仕方もそうですし、得点ももう一つ取れればよかったですね」
―久しぶりに海外のクラブと戦って、W杯に出られなかった悔しさは増した?
「悔しさというよりは、自分の中で前進するのみです。そのための新しく自分をプラスに持って行くための試合ということで、自分自身は試合前から考えていました。今日、こういう試合になったので、次の試合が楽しみですね。勝つことを前提というか、それしか考えていない。みんなでそう考えて臨めればいいと思います」
―ゴールは得意な形?
「そうですね。バサジィでも、ああいうポジションでボールを持っていたら、良い形に持って行けていると思います。普段通りのプレーが出来れば、問題ないと思います」
―次は大分で初の国際マッチ?
「勝ちたいですね。絶対に勝ちます。勝って、フットサルをもっともっと高めていくというか、広げていきたいです」

●GK川原永光(名古屋オーシャンズ)
―ピヴォ当てからやられたが?
「向こうのピヴォもうまかったし、ピヴォ当ての質が高くて、結構、長い距離をうちのピヴォやアラが動かなければいけなくなった状況で、そこで何で前から中途半端なDFをしてしまったかは疑問でした。怖さが出ていたなと思います。飛び込み過ぎてかわされることが多かったですし、後ろから見ていてつらかったですね。もう少し、そこは何とかできたと思うので。ピヴォ当てを阻止するためにはコースを切ればいいだけなのに、そこを簡単に当てられた。W杯でもそういうことはあったし、監督に言われる前に『当てられているなら下がろう』とか、自分たちで変える努力も必要だし、ベースができている選手が多いだけに、あの形での失点が多かったことは悔しいですね」
―久しぶりに股を抜かれてしまった場面もありました。
「あれは自分のせいです。言われても仕方ないですね。あれがなければ、もっと良い試合ができていたかもしれないと、正直、思います」
―次、また3日後にアルゼンチンと試合ができるが?
「そこは大きいですね。差を詰めますよ。監督がどうのこうの言う前に、選手の気持ちだったり、今までやってきたものがある。このチームは新しいチームですが、良いチームだと思うので、しっかり選手同士で話してやっていきたい。考え方を合わせるだけで、失点も少なくできると思います。今日はピッチでも声が少なかったですし、きつくなると誰も声が出せない。お互いに言い合いながらやれれば、もっと良いものができると思うので、その後に善し悪しが出ると思うので、それをまずやらないと、強くなるか、弱くなるかは分からないのでね。今までの代表も言い合って強くなってきたので、話し合わないと、チームとしてのまとまりが出ないと思います」

●FP森岡薫(名古屋オーシャンズ)
「シュートまではちゃんと行けているから、大きな問題はないと思います。ただ、結果だけを見れば良い結果ではない。内容にも結果にもこだわりたいので、次は違う内容、結果にこだわりたいです」
―試合前にカズさんに会えた?
「会えました。一緒にW杯を戦ったカズさんの前で、こういった試合は避けたかった。絶対に勝ちたい気持ちがありましたが、残念な結果になってしまいました。本当に反省すべき試合だと思いますし、リベンジの場があるので、顔を上げるしかない。カズさんには『今日1点決めて来い』と言われていたんですけどね。W杯でも、そう言われて初ゴールを取れて、僕の中では重みのある言葉だったので決めたかったのですが、決められなかったので申し訳ないです」

●FP吉川智貴(名古屋オーシャンズ)
「後半に入って少しずつ対応できたので、今日の反省を土曜の試合には生かしていきたいと思います」
―W杯メンバーと融合してスペイン遠征との違いは?
「スペイン遠征ではW杯を経験している選手が本当に少なかったですが、今回のメンバーはほとんどがW杯を経験しています。その分経験値はすごくありますし、自分は代表に入ったばかりなので、思い切ってプレーできていることもありますし、プラスに働いていると思います」
―緊張しているように見えなかったが?
「緊張は全然していませんでしたね」
―監督はもっとできるはずと話していたが?
「まだまだできるという印象はあります。その中でもちょっとでも、自分の良さを出したかったので。もっともっと自分の良さを出したかったと思います」
―具体的な反省点は?
「DFの部分が一番ですね。もう少し積極的にサイドで仕掛けることも必要だと思います。自分の持ち味は周囲に伝えようとしていますが、もう少し時間がかかるかなと感じています。対戦相手で戦うのと、一緒にプレーするのは違う部分があるので、徐々にやっていきたいと思います」

(取材・文 河合拓)

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