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女子W杯メンバー発表 池田太監督会見要旨

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池田太監督

 日本女子代表(なでしこジャパン)の池田太監督が13日、千葉市内で記者会見を行い、7月20日開幕の女子ワールドカップに向けたメンバー23人を発表した。

 以下、池田太監督の会見要旨

池田太監督
「私が就任してから選手はそれぞれ自分の成長、強いなでしこを取り戻そうという大きな志を持って、様々な挑戦を繰り返してきてくれた。日本ではWEリーグが始まり、そこで成長を加速する選手もいた。また海外クラブへ移籍し、新たな環境を求め、自分の成長、夢の実現、そしてなでしこジャパンをもっと強くしたいという素晴らしい志を持った選手たち、そういった選手たちに感謝、尊敬の念を抱いている。また今日23人の選手を発表させていただくが、その23人に入れなかった選手も本当に日頃からサッカーを追求し、自分と向き合って成長してくれた選手ばかり。そういった選手を日頃から鍛えていただいているチーム関係者の皆さん、国内国外に関わらず所属チームの皆さん、それまで育ててくださった指導者の皆さん、長く見守ってくださった保護者の皆さん、そういった関わってきた全ての皆さんに感謝を申し上げたい。自信を持って23人を選び、来月からニュージーランド、オーストラリアで始まるW杯に向け、また一つ準備を進めていきたい。世界のサッカーは急速に成長している。大会に参加する上で、頂点を目指して戦っていくこと、大きな志を持って戦うことはもちろんだが、厳しい戦いの中でも我々なでしこジャパンが諦めずに戦っていく、そういった熱い試合、熱い一瞬一瞬を皆さんと共に作り上げていければと思う。これから発表する23人は、日本女子サッカーの代表として、支えてくださった人々の想い、23人に入れなかった選手の思いを心に留め、責任と覚悟と大好きなサッカーで世界の頂点を目指す喜びを持って戦ってほしいし、戦っていきたいと思う。皆さんと約1か月後のW杯に向けて大きな渦を作っていければ。ぜひ一緒に戦ってください」

─今回のメンバー選考で重視したポイントはどこか。
「総合的に考えた。我々が活動していく中での、その時のパフォーマンスや影響、どういったことを示してくれたか、それと所属チームでの現在の状況、それらを踏まえ、W杯での戦い、グループステージの戦いからその先、いろんなシチュエーション、ピッチ上、ピッチ外、様々なシミュレーションをした中で選手の選考にあたった」

─10番を背負ってきた岩渕選手がメンバー入りしなかった。所属チームでの活躍を踏まえての考えだと思うが、どういう決断だったか。
「まず岩渕選手。これまでチームを作っていく過程の中で、彼女の持っているなでしこに対する思い、プレーでチームを引き上げて、チームのために動いて、戦ってくれた。このタイミングでメンバーに23人を選ぶ中で、一つの理由ではなく、代表活動、コンディション、またはチームでの状況、様々な大会のシチュエーションを考えて、その上で23人を選ばせてもらった。そこの結果の中で彼女だけではないが、このタイミングで選ばれなかった。そういう選手も数多くいる中で、この23人以外にも成長してくれた、なでしこに力をくれた選手たちに感謝をしている。そういった思いは私の中にある」

─選手を選ぶ上で一番悩んだところは。
「いろんな角度から選手選考については時間をかけて考えた。一番というとなかなか難しいところだが、全体的なポジションバランスも考えないといけないし、大会期間でチームという生き物がどう動くか、そういったチームバランス、チームの雰囲気をどう作っていくかも含め、総合的にいろんな角度からメンバー選考やチーム作りをしていった。何が一番というのはなかなか答えづらい」

─アメリカ遠征、ヨーロッパ遠征ではメンバーを固定して組織を積み上げたが、そこには入っていない千葉選手、高橋選手が選ばれている。2人への期待は。
「私が就任してから、全体的な選手のポテンシャル、やれることというのは代表活動で見てきたし、また、その選手の現在の状況、それまでのことも各チームとも情報を共有して見てきた。その中で、今名前が挙がった選手たちはしっかりと成長し、W杯に向けて準備を進めてくれた。その選手たちの持っている良い部分、千葉選手のダイナミックな動き、高橋選手のしっかりとしたDFとしてのスピードやポジティブな部分が、W杯に向けて積み上がっていくのではないかと期待しながら選手選考にあたった」

─23人を決断したタイミングはいつか。
「選考には時間を要したし、最後に決断したのは今日の朝。実際は昨日の夜に決めて、朝起きた時に何か違った考えが出るかと思ったが、昨晩いろんなことを考えて決断した。それに至るまでには、スタッフとWEリーグが終わった後もミーティングを重ね、以前からも選手たちの状況・状態を把握しながら固めていた。そういった過程はあるが、質問の答えとしては昨晩」

─前線の選手でW杯の出場経験を持つ選手があまりいない。また、高橋はな選手は今年に入ってWEリーグに1試合しか出ていないが、その辺りの状態は。
「前線の選手については、もちろん経験を必要とすることも考えた。ただ、若い選手の勢いやW杯に向けての野心、そういったプラスのこともある思う。世界大会で言えば五輪にも参加した前線の選手もいるし、経験と若い選手のアグレッシブさとのバランスは考えつつも、良い部分がどういう風に出るかも考えつつ、ポジティブな方を選んでメンバーを決めた。経験よりも今このチームで何ができるかを考えた上で、こうした決断になった。高橋選手は、所属クラブのメディカルチームと情報共有をしながら、しっかりとした過程を経て、最終節にプレーできたというところ。また、W杯に向けてのプログラムで過程を踏めば、しっかりと戦える状態になると考えて選ばせていただいた」

─前線の選手で海外でプレーしているのが浜野選手のみとなったが、WEリーグで活躍していた選手にはどういうことを求めるか。
「海外でプレーしている、もしくはWEリーグプレーしているといった、どこでプレーしているかというよりは、どういう動きができるか、前線の選手なのでどうゴールを取っていくかといったところで選手選考をさせていただいた。WEリーグでしっかりと結果を残した。そういった自信を持ってW杯に向かっていって欲しい。世界と戦っていく上では、いろんなタイプの選手、いろんな方法でゴールを奪いにいかないといけない。これからの準備期間でコンビネーションやフィニッシュにどう関わっていくかを準備したい」

─男子では、まだ見ぬ景色はベスト8だということでスローガンを掲げた。なでしこジャパンはどこを目指して戦うか。
「2011年に世界の頂点に立ち、また翌年の五輪、次の大会でも世界の上位に食い込む戦いを繰り広げた。そういった過去の優勝、ポジティブな部分をまたこのなでしこのメンバーでしっかりと掴みにいく、頂点を目指して戦っていく、4年に一度の大きな大会なのでチームとして目指しにいく。世界の女子サッカーの成長スピード、そこに勇気を持って立ち向かっていく、目標を掲げながらも勇敢な姿で立ち向かっていければと思っている」

─かつて男子のW杯では、カズ選手や中村俊輔選手が落選したこともあった。今回の岩渕選手が外れたというのは、チームに喝や気合いを入れるような意思があっての決断か。
「まずは23人を選ぶ中で落選する選手、その選手の落選を喝を入れるだとか、そうした意味合いに使うことは私は考えていない。常に今のタイミングでW杯に向かっていく、そのメンバーを選ばせていただいた。全ての選手にリスペクトをしているし、今までの活動やこれからの成長に期待している。そういった意味では、この場で23人への考えをお伝えしている」


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