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得点王&MVPも、FW名和田我空(神村学園高)は「これで満足なんてことはない」と、さらに上を目指す

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U-17日本代表FW名和田我空(神村学園高)は5得点で得点王。

[7.2 AFC U17アジアカップ決勝 U-17日本 3-0 U-17韓国]

「得点王を狙いたい」

 AFC U17アジアカップが開幕する前から名和田我空(神村学園高)の目標は明確だった。トップ下を得意とするテクニシャンタイプだが、そのメンタリティは点取り屋である。

「やっぱり点を取りたい」

 そんなフレーズを今大会何度も聞かされたし、準決勝では「自分が蹴っても絶対に決められました。本当に悔しい」と、ジャンケンで敗れてのFKをMF佐藤龍之介(FC東京U-18)に決められて本気で悔しがってもいた。

 それだけに、迎えた準決勝の前半アディショナルタイム、ゴール前でのFKを誰かに譲る気はなかった。そんな気持ちを察していた仲間たちは「譲ってくれたんだと思う」(名和田)と、この14番に重要なキックを託した。

 そして「イメージ通りだった」というシュートがゴールネットを揺らすと、「嬉しすぎたので喜びすぎてしまったんですけれど、ベンチのみんなもめちゃくちゃ喜んでくれて最高だった」とチーム全員でゴールの喜びを分かち合った。

 そして後半には「相手の気持ちを折る2点目が絶対に必要だった」という流れの中で迎えた21分、最高の形でそれを実現してみせた。佐藤の縦パスを受けたMF望月耕平(横浜FMユース)から「最高のラストパス」を受け取ると、「しっかり周りも見えていたし、冷静だった」というシュートを沈め、試合の流れを決定付けてみせた。

 得点数を5へ伸ばし、大会得点王とMVPを獲得した。決勝後は「得点王は狙っていたので獲れて良かった」と素直に喜びつつも、「今日もハットトリックできた試合だった。他の試合でももっと取るチャンスはあったし、本当にまだまだです」とフィニッシュの精度を猛省。「もっとレベルアップしないといけない」と気持ちを引き締めた。

 11月のU-17ワールドカップは「やっぱり優勝を目指したい」と意気込む。そのために「まだまだ足りない」ことも自覚しているだけに、「チームに戻ってもっともっと頑張っていきたい」と早くも次の舞台に視線を向けていた。

(取材・文 川端暁彦)
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